ペットショップで売られている昆虫等と違い、西洋ミツバチは家畜扱いなので趣味で飼う場合でも少しだけ面倒な手続きがあります。 また、西洋ミツバチは毒針を持っており飼育場所によっては通行人が刺される可能性があります。そのため、通常のペット以上に飼育場所には気を付けなければなりません。
自分には養蜂の指導者がおらず、初めは何も知らずに西洋ミツバチを飼い始めてしまい色々なトラブルが起きました。 このページの説明により、西洋ミツバチをトラブル無く飼い始めらえる方が増える事を願います。
大まかな飼育までの流れは上記のようになります。養蜂をしている知り合いがいるなら、初めはその方に手続きの全てを手伝ってもらうのもアリだと思います。
①飼育する場所決め 趣味養蜂の場合、西洋ミツバチの巣箱を一度設置するとそこから頻繁に動かす事はありません(定置養蜂)。 また、ミツバチには記憶力があり一度巣箱から出してしまうと、外の風景を覚えてしまい気軽に巣箱を動かせなくなります。 その為、巣箱を置く場所は下記の事項を考慮し慎重に決めましょう。
ミツバチは巣箱を置いた場所から2~3km離れた所まで、食料を探しに行きます。 |
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②養蜂道具の購入 巣箱を置く場所が決まったら、次は養蜂道具を購入しましょう。 養蜂道具は養蜂園から通信販売で買うことができます。 また、一部の養蜂道具はAmazonで超格安で販売されている事があるので養蜂園から買う前に一度はAmazonの養蜂道具に目を通す事をお勧めします。 詳しい養蜂道具の情報は次のリンクを参照して下さい。(養蜂道具の説明)(最低限必要な養蜂道具) |
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③ミツバチの購入 ミツバチは近くの養蜂家から直接買ったり、インターネット上でミツバチを販売している養蜂家から購入する事になります。 養蜂初心者は販売価格が高くても対応が良い養蜂家から購入した方が、購入後も色々サポートしてくれるので安心です。 通常、西洋ミツバチは春と秋に販売されています。 夏や冬は輸送が難しいので販売している養蜂園は少ないです。 西洋ミツバチを購入した直後にする事は次のリンクを参照して下さい。(西洋ミツバチが届いたら) |
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④役所(役場)へミツバチ飼育届の提出 西洋ミツバチの飼育を開始したら、役所(役場)にミツバチ飼育届とフソ病検査証明書を提出しましょう。 ミツバチ飼育届は、役所(役場)に置いてある指定用紙に名前・住所・飼育している場所・群数等を書き込むだけなので難しくありません。 フソ病検査証明書は、購入先の養蜂家から貰えますので準備する必要はありません。 ミツバチ飼育届は年1回提出します。お住まいの都道府県により独自のミツバチ条例もあるので、詳しくは管轄の市役所にお問い合わせください。(ミツバチの条例について) |
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⑤ミツバチの管理 多くのペットと違いミツバチはある程度自立して生活できます。その為、飼育環境が良ければ放置していてもモリモリ増えていきます。 しかし、ミツバチの管理を疎かにし過ぎると、分蜂したり・天敵に殺されたり・餓死する事があるので注意して下さい。 ミツバチを上手く飼育(管理)すると、蜂蜜が沢山採れたりミツバチの増えるスピードが速くなります。 |
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ミツバチの食料について ミツバチ(成虫・幼虫も含む)は、植物の花蜜や花粉を食べて生きています。(ミツバチの栄養源) 花が減る季節には、ミツバチが餓死しないように餌を与える事があります。 |
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水源について ミツバチは、巣箱内の温度・湿度調整の為に水を必要とします。 ミツバチは水を色々な場所から調達してきますが、巣箱の近くに水源を作ってあげると水を飲みに来ます。 |
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⑥1年に1回行う事務手続き 毎年1月には、役所にミツバチ飼育届を提出しなければなりません。 また、フソ病検査という保健所が行う検査もありますので、1月にミツバチ飼育届を提出する序に役所の担当者と検査日を打ち合わせましょう。 |
西洋ミツバチは飼育している土地の環境に日々適応しながら生活しています。 それ故、西洋ミツバチを飼育する方も土地(地域)に合わせた飼育方法の確立を目指してください。
まずは、ミツバチを飼育している地域の蜜源植物の開花時期・気温の変化・スズメバチの来る時期等を記録し、それらの影響によるミツバチ数の増減や貯蜜の変化をよく観察して下さい。
そして、ミツバチが増える時期はいつか? ミツバチが減る時期はいつか? 気温が高い時、又は低い時には何をするのか? スズメバチが来る時期には何をするのか? 等を考えながら作業し、その土地でのベストな飼育方法を探します。 土地(地域)に合わせた飼育方法の確立には、最低でも1年は掛かりますのでじっくり取り組んでください。
長年同じ場所で養蜂をしている方は、土地に合わせた飼育方法を確立していますので、もし近くで養蜂をしている方が居たらノウハウを教えてもらうのも良いでしょう。
色々な養蜂教本や養蜂サイトに様々な養蜂技術が記載されていますが、初心者の内はそれらが思うように実践できなくても気にする必要はありません。限度はありますが、西洋ミツバチは適応力の高い生物なので臨機応変に貴方のミスにも適応してくれます。
ですから、失敗を恐れずに養蜂技術を繰り返し実践し習得を目指しましょう。 多くの養蜂技術を習得すると、西洋ミツバチの飼育が楽になります。
楽しく養蜂をしたい方に私がアドバイスできる事が1つあります。 それは「ミツバチを沢山飼育しない」です。 飼育数が1~3箱なら、週1回の10~30分程度の内部検査で済みますし、蜜源植物が多い地域だと給餌も必要なくハチミツが沢山採れます。
対照的に、ミツバチを沢山飼うと「作業量の増加、維持コストの増加、ハチミツの採れる量の減少、周囲の養蜂家もハチミツがあまり採れなくなり嫌われる等」・・・養蜂初心者には不利益な事が多々起きます。
特に、大群の飼育は養蜂家同士の揉め事に発展することがあるので気を付けてください。
養蜂組合費が安いなら入った方が良いでしょう。 養蜂のイベントは毎年1月に玉川大学で「ミツバチ科学研究会」が開催されています。 参加費も高くないので、興味がある方は参加してみましょう。