西洋蜜蜂(ミツバチ)を注文し、巣箱(ミツバチ入り)が届いた時に初めに何をすれば良いかを説明します。
まずは、作業内容の流れを下記に示します。
初めて養蜂をする方には、「巣枠を固定している釘(ネジ)を抜く」・「内部検査をする」あたりが難しいですが、これらの作業は後日でも大丈夫です。
①巣箱置き ②巣門の開放だけは、ミツバチを受け取った日に行いましょう(夜に受け取った場合は、次の日の朝で大丈夫です)。 ミツバチは巣箱に閉じ込めている時間が長ければ長いほど状態が悪くなるので、出来る限り早くミツバチを開放する事が大切です。
何らかの理由で受け取ったミツバチをすぐに開放出来ない場合、巣箱は直射日光が当らない涼しい場所に保管しましょう(ミツバチは光に反応して騒ぐので真っ暗な場所が望ましい)。 届いたミツバチを何日も放置し、巣箱に閉じ込めている状態が長く続くと、ミツバチが大量死する事があるので注意して下さい。
①巣箱を置く (必須) 巣箱を置いた場所が、今後のミツバチ達の拠点になります。 巣箱を置く場所は、ミツバチが届く前に決めておきましょう。 巣箱を置く場所は、人通りが無い場所・雨が降った時に浸水しない場所・地面が平坦な場所・強風が当らない場所等を考慮して決めてください。 巣門前に障害物が有ると、ミツバチの飛行の邪魔になるので、最低50cmは自由に飛行できるスペースを巣門前に確保してください。 |
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②巣門を開く (必須) 巣箱を所定の場所に置いたら、防護服を着て巣門を開きミツバチを開放しましょう。 巣門を開けると、ミツバチがワラワラ出てきて巣箱周囲を旋回飛行します。 ミツバチは旋回飛行しながら、巣箱の位置を記憶しています。従って、巣門を開けた後は、巣箱を無闇に動かしてはいけません。 |
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注意! 巣門を開けた当初は、一時的に巣箱周囲(巣箱の上空も含む)がミツバチだらけになります。 しかし、この状態は一時的なもので時間の経過と共にミツバチ達は落ち着き、巣箱から出てくるミツバチの数は激減しますので安心してください(60分くらいで落ち着きます)。 |
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標準巣箱の巣門 一般的に売られている標準巣箱は、扉を上下させる事により巣門の開け閉めが出来ます。 |
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標準巣箱の巣門扉の固定 上に上げた巣門扉は、青○で印をしたようにガムテープで巣箱に固定するか、青点の所に画鋲や釘を打ち込んで巣門が閉じない様にして下さい。 赤矢印部分からミツバチが出入りします。 |
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③巣箱を開け巣枠の釘抜きをする ハチが落ち着いてきたら(巣門開いてから1時間後位)、巣箱を開けて釘抜きをします。 釘(ネジ)は、巣枠の両端に打たれています。 釘抜き作業は後日でも構いませんが、釘を抜かないと内部検査はできません。 |
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③-1 ミツバチを落ち着かせる 釘を抜く前に、まずミツバチを落ち着かせましょう。 ミツバチは巣箱を開けると騒ぎ出しますが、くん煙器を使用し煙をミツバチに吹きかける事で落ち着かせる事ができます(攻撃してこなくなります)。 |
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③-2 釘を抜く 写真の様に、巣枠を巣箱に固定している釘を全て抜いていきます。ミツバチをなるべく潰さないようにゆっくり作業してください。 |
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④内部検査をする 全ての巣枠の両端の釘を外したら、巣枠両端を両手で垂直に持ち上げてミツバチのチェック(内部検査という)を行います。(内部検査の詳細はこちら) 養蜂が初めての方は、巣枠の釘抜きと内部検査は後日に回し、巣箱の底だけを観察して巣箱を閉じて下さい。 |
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④巣箱の底を観察する意味 ミツバチは輸送中に大量死する事があります。原因は主に輸送中の暑さです(蒸殺という現象)。 写真のように巣箱の底に大量のミツバチの死骸があれば蒸殺です。 すぐに養蜂家に連絡を取りましょう。 ただ、巣箱底の死骸が50匹位までなら、気にする必要はありません。 輸送中に寿命で死んだミツバチです。 |
ミツバチに慣れない内は無理して作業をする必要はありません。 今は難なくミツバチを扱える私ですが、初めて西洋ミツバチを扱った時は、何をして良いのか解らず悪戦苦闘の日々でした。 作業中、 「もう無理!」と思ったら、巣枠を元の位置に戻してから巣箱を閉めて下さい。
養蜂に慣れないうちは、内部検査中や巣箱を閉める時にミツバチを何匹か潰すかもしれませんが気にしないで下さい。作業に慣れて来るとミツバチを潰す数も減っていきます。