群合同の一連の流れは下図になります。 合同する際の注意事項は下の方で詳しく説明しています。
西洋ミツバチの群の合同で気をつける事は、合同する群の女王蜂の存在を確認する事です。女王蜂は1群に1匹という決まりがあるので、合同する事で女王蜂が2匹にならないようにしてください。
他にも合同したい群同士が遠く離れていると外勤蜂の合同が上手く行きません。 外勤蜂は元の巣箱の位置を記憶しているので、合同により自分の巣箱が元の位置から消えてしまうと帰る巣箱が無くなります。 ホームレスになった外勤蜂は、時間が経つと近くの他群に自然合同する事があります(外勤蜂の自然合同参照)。
上記の理由で、離れた2群を完全に合同する場合はどちらか一方の外勤蜂を諦める事も必要になってきます。 群同士が近ければ(1m位)外勤蜂の合同も可能なので、時間をかけて群同士を少しずつ近づけていくのも良いと思います(群の移動方法)。
日本酒・煙・新聞紙・砂糖水等・・・色々な物を使った群の合同方法があります。
ここでは、お手軽な日本酒合同の方法を説明します。日本酒をミツバチに吹きかけ、日本酒の香りでハチ達の嗅覚が混乱している間に合同してしまう方法です。
群の合同は巣枠1枚から行えます。2群を1群に完全合同する場合は、どちらかの女王蜂を取り除いて下さい。 2群を1群に完全合同したいが群同士が遠い場合は、どちらかの外勤蜂は諦めて放置するか、群同士を1日50cm位動かして近づけてから合同して下さい。 |
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今回は中群から3枚を取り出しました。この3枚群を近くの弱群に合同します。この3枚群に女王蜂は居ません。 |
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3枚群が入った巣箱にフタをして、合同したい群の所まで持っていきます。 群同士が近い為、この合同する3枚群の一部の働き蜂は、群合同後に元群に戻ります。 |
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蜂に吹付ける液について 日本酒が無かったので水で薄めたバニラエッセンスを使いました。 匂い物質は、日本酒・泡盛・ウイスキー・酢等・・・香りが強ければ何でも大丈夫です。 蜂は臭いで仲間を判断しているので、香りが強い液体を吹き付けて触角を麻痺させます。触角が麻痺している間にお互いの体臭が馴染んで殺し合いをする確率が激減します。 |
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合同する3枚群(小さい巣箱)と吹付ける液体の準備ができました。 写真の大きな巣箱の群に、準備した3枚群を合同します。 |
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大きな巣箱の群について この群は、4枚群だったのですが台風で巣箱が吹き飛んで働き蜂がほとんど居なくなってしまいました。 現在は、隅の巣枠に働き蜂が500匹位ぶら下がっている程度です。女王蜂は居ます。 このままだと群が消滅するので、他群からミツバチを合同する事になりました。 |
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女王蜂を隔王籠に入れる 群合同の際に女王蜂が殺される事があります。 その為、女王蜂を隔王箱に入れてから合同すると安全です。 女王蜂は1日ほど合同群に慣らしてから王籠から出します。 女王蜂が群に馴染んだかどうかは女王蜂の導入を参照して下さい。 |
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合同開始 奥の超弱群に、手前の3枚群を合同します。 |
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ミツバチが騒いでいたら、煙を掛けてミツバチを落ち着かせます。 |
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巣枠やミツバチにお酒等を吹付けます。 片手で巣枠を持ちながら巣枠全体に匂い物質を吹き付けて下さい。 |
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全てのミツバチに液の吹付けが終わったら、次は各群の巣枠を交互に並べます。 最後に巣箱内部全体に液を吹付けます。 |
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合同が完了したら、巣箱を閉めて経過を見守ります。 殺し合いをしている場合は、更に液を吹きかけてください。 空の巣箱の壁に蜂が沢山付いている時は、巣箱を逆さまにして地面に軽く叩きつけると巣箱から蜂を落とす事ができます。 蜂を落とす位置は、合同群の巣門前が良いです。 |
下記は匂い物質を使わず合同した時の写真です。
試しにお酒を吹きかけずに2群を合同してみました。 | |
数分後には巣門前に働き蜂の死骸が多く見られました。 | |
巣箱の底にも働き蜂の死骸が多く見られました。
お互いを敵と見なし殺し合いをしているようです。 |
匂い物質を使わず合同を行うと、このように働き蜂の大量死が起きる事があるので注意して下さい。
2群を1群に完全合同した場合は、女王蜂が1匹余ってしまいます。 その女王蜂が要らない場合は、知り合いに譲ったり養蜂掲示版で里親を募集しましょう。
女王蜂の保管は、隔王籠に女王蜂と働き蜂5匹程をお伴させ餌(砂糖+蜂蜜)を与えてれば、7日位は余裕で保管できます。 隔王籠は涼しい場所(18~26度)に保管して下さい。 女王蜂の輸送・保管の詳細はコチラを参照して下さい。