一般的な女王蜂の導入方法は下記になります。
養蜂家から交尾済み女王蜂を買った場合、女王蜂は隔王籠に入れられて輸送されてくるので”1の作業”を省略できます。
①隔王籠に女王蜂を詰める作業
女王蜂や働き蜂を王籠に入れる方法は色々ありますが、ここでは私が行っている方法を記載します。 まず、ピンセットと隔王籠を用意してください。 隔王籠は働き蜂が出入できない仕様の王籠が必要です。 王籠には餌となる練り砂糖も予め詰めて下さい。 *隔王籠にミツバチを入れる色々な方法はこちらを参照して下さい。 *王籠用の餌はこちらを参照して下さい。 |
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①隔王籠に女王蜂を入れる作業
まず女王蜂を探します。 この女王蜂を探す作業が一番面倒です。なかなか見つからないとイライラします。 女王蜂に印を付けてると簡単に見つける事ができます。 補足: 働き蜂から先に王籠に入れても良いです。 |
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①隔王籠に女王蜂を入れる作業
女王蜂を発見したら、ピンセットで女王蜂の羽を摘んで隔王籠の中に優しく入れます。 女王蜂の取扱は細心の注意を払って下さい。 女王蜂の羽以外を傷つけると、導入群から不良女王蜂と判断され、導入後に追い出される事があります。 |
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①隔王籠に働き蜂を入れる作業
元気そうな働き蜂2~3匹も女王蜂のお供として隔王籠に一緒に入れます。働き蜂の王籠への入れ方は女王蜂と同様です。 お供蜂についての詳しい記事はコチラを参考にして下さい。 |
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①隔王籠に未交尾女王蜂を入れる作業
あまり機会は無いと思いますが、未交尾女王蜂を王籠に入れる際は、絶対にピンセットで羽を掴まないで下さい。 ピンセットで羽を摘むと、羽が縮れたり切れたりする事があります。 その結果、うまく飛べなくなり交尾飛行に支障がでます。 |
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②導入したい無王群の中に王籠を置く
無王群に女王蜂が入った隔王籠を入れ、2~5日馴染ませます。 5日以上経っても隔王籠の周りが興奮した働き蜂で被いつくされている場合は、既に女王蜂が居る群であったり排他的な群の可能性があります。 排他的な群の場合は、更に延長して群に馴染ます事で導入できる可能性はありますが、既に女王蜂が存在する群の場合は、新しい女王蜂の導入は難しいです。 |
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③女王蜂が無王群に馴染んだか確認する
隔王籠(女王蜂入り)を無王群に入れた直後は、興奮した働き蜂が王籠に襲い掛かってきます。 興奮状態の働き蜂は隔王籠に異常に執着し噛み付いたりして離れません(女王蜂が馴染んでない状態)。 女王蜂が馴染んでない状態で無王群に導入すると、すぐ刺し殺されてしまいます。 これら働き蜂の隔王籠に対する興奮・執着・噛付きが和らいだ時が”女王蜂が群に馴染んだ状態”です。 |
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④無王群を内部検査し、王台を全て潰す。
女王蜂を無王群に放つ前に、無王群を内部検査し王台(変成王台)等があれば全て潰します。 全ての王台を潰さずに女王蜂を無王群に導入した場合、導入した女王蜂が後々追い出されたり、分蜂したりする事があるので注意して下さい。 |
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⑤女王蜂を隔王籠から出す
女王蜂が無王群に馴染んでいる、かつ、無王群の王台を全て潰したら、隔王籠のフタを開け女王蜂を開放します。 女王蜂解放後、女王蜂をしっかり観察してください。女王蜂導入が成功なら、画像の様に周りの働き蜂が女王蜂を優しく取り囲みます。 導入失敗なら、働き蜂が女王蜂を毒針で突き刺そうと襲ってきます。 女王蜂が襲われていても、すぐ王籠に戻せば殺されずに済みます。 女王蜂を攻撃している働き蜂に、煙やハチミツをかけると女王蜂への攻撃を一時的に弱められるのでその隙に女王蜂を王籠に戻しましょう。 |
隔王籠から女王蜂を出すのがどうしても心配な方は、試しに隔王籠に働き蜂を2~3匹入れ、女王蜂を攻撃するか観察してください。攻撃しなければ開放しても大丈夫です。もし女王蜂を攻撃した場合、王籠内にハチミツを入れて女王蜂への攻撃を止めさせます。(王籠に入れた働き蜂は、ハチミツを吸っている間に女王蜂に馴染みます。)
私は時々女王蜂導入に失敗しますがかなりショックです。 失敗原因は、①無王群へ馴らし不足での導入、②ミスって有王群(王台も含む)へ導入、③働き蜂産卵群への導入、④失敗する運命(笑)等です。
隔王籠(略して王籠)には色々な種類の物が売られていますが、どんな形の王籠を使っても女王蜂の導入は大丈夫です。写真の王籠は一般的な物です。 注意点: 働き蜂が入れないタイプの王籠を使って下さい。 |
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巣枠の上に置く① 写真のように王籠を巣枠の上に置きます。(私はこの方法を採用しています。) この方法の注意点: 暑い時期に巣箱を直射日光に晒していると巣箱上部が熱くなります。 その為、王籠を巣箱上部に置いていると、熱さで王籠内の女王蜂や働き蜂が弱ったり死んだりするので注意して下さい。 |
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巣枠の上に置く① (断面図) 王籠は、働き蜂が多い巣枠の上に置いて下さい。そうする事で女王蜂のフェロモンが効率よく群に広がります。 2度書きますが、気温が高い時期は、巣箱上部が熱くなりやすいので王籠の配置に注意してください。 |
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巣枠の間に挟む② 写真のように王籠を巣枠の間に挟みます。王籠を巣枠の上に置くと、フタが閉まらない時や真夏の暑い時期に使えます。王籠に紐を結んで巣枠の間に吊るす事もできます。 |
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巣枠の間に吊るす② 巣枠上部に釘を打って、そこに紐をひっかけ王籠を吊るします。 紐の長さで王籠の位置を調整できるので、巣箱上部が熱くなりやすい時期に有効な方法です。 王籠を吊るした後は、巣枠で挟みます。 |
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巣枠の間に挟む(吊るす)② (断面図) 王籠は、働き蜂が多い所に挟んで下さい。そうする事で女王蜂のフェロモンが効率よく群に広がります。 |
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色々な場所に置く 経験上、隔王籠は働き蜂が多い所ならどこに置いても大差は無いと感じます。臨機応変に隔王籠を置く場所を決めて下さい。 王籠を巣箱に底に置く場合は、アリに注意して下さい。王籠にアリが群がると女王蜂が殺されます。 |
女王蜂導入の注意点ですが、排他的な群だったり導入する女王蜂の健康状態が悪いと導入自体は上手く行っても、後日、群から女王蜂が追い出されてしまう事が時々起こります。働き蜂産卵群は特に排他的なので、女王蜂が追い出される可能性が通常の無王群より高くなります。