都市養蜂について個人的感想を書きます。
○○ミツバチプロジェクトという言葉を聞いた事ありませんか? それらは都市養蜂の事で人口密度が高い都会や市街地で養蜂をして、ハチミツを収穫し売るというビジネスです。 都会・市街地でも蜜源植物が多く植えられていればハチミツは採れます。
都市養蜂のメリットは、都会や市街地では養蜂している人が少ないので周囲の蜜源植物を独占できる事です。また、畑等が少ないのでミツバチに影響のある農薬を気にする必要がありません。
都市養蜂の最大のデメリットはミツバチ被害です。 昔は、私も市街地で養蜂をしていましたが隣人が刺されたりミツバチを怖がる人が多かったので、現在は人が少ない場所で養蜂しています。
ミツバチの分蜂も都会・市街地では大きな問題になります。 分蜂中のミツバチの攻撃性は低いですが、運悪く通行人の顔を刺したりしたら大事になる可能性があります(顔が大きく腫れ仕事に影響します)。 最近は昆虫が苦手な方も多いので、大迫力の分蜂は恐怖の対象になります。
蜜源植物が多い場所では、蜂蜜も沢山採れますがミツバチも驚異的に増えます。 群のミツバチ数が増えると・・・分蜂しようと高い頻度で王台を作ります。 作られた王台を潰し損ねたら分蜂してしまいます。
蜂蜜が沢山採れるという事は、逆に考えれば分蜂し易いという事です。 そたのめ、蜂蜜が多く採れる都市・市街地では分蜂に十分注意する必要があります。
市街地では自宅の屋上や庭などで少数群なら飼育可能です。 都会のように人口密度が非常に高い場所では、ビルの屋上など周囲の通行人と十分に距離が取れる場所で養蜂しているケースが多いです。 一個人が都会でミツバチを飼育するには、ビルオーナーとの信頼関係やコネクションが無いと難しいでしょう。 市街地・都市でのミツバチの飼育を条例で禁止している県もあります。
都市養蜂をしている養蜂家は、採蜜群が大きくなるにつれて分蜂やダニの繁殖が心配になってきます。
ヘギイタダニに関しては、流蜜期前に薬剤でダニの数を減らしておく事で対処が可能です。 分蜂に関しては、現女王蜂の羽を切っておくことで分蜂を一度だけ未遂に終わらせる事ができます。 外に飛び出たミツバチ達は、女王蜂が飛べないので分蜂を諦めて巣箱に戻ってきます。 もしくは地面に落ちている女王蜂の周辺に集まります(女王蜂の羽の切り方はコチラのページを参照)。
分蜂防止には、巣箱から女王蜂を出さないという方法もあります。 下記の写真のように巣門前に隔王板を取り付け、働き蜂以外を巣箱外に出さないようにします(作り方はこちらのページを参照)。
しかし、たとえ分蜂未遂であっても一時的に大量のミツバチが巣箱周囲を旋回します。 近くに通行人が多い場所ではそれだけで大騒ぎになる可能性があります。
ミツバチに限らず生物を飼育していると想定外の事が稀に起こります。 ミツバチが想定外の事(結果)を行う原因はあるのでしょうが、原因が複雑な場合は結果の予想が出来ません。
想定外の事はミツバチだけでなく生物である人間(養蜂家)にも起こり得ます。 内部検査をする時に疲労や不注意で王台を見逃してしまう事もあるので・・・100%確実に分蜂を防ぎ続けるのは困難です。 絶対にミスをしないと断言できる養蜂家は人間ではありません。
上記のような理由で都市養蜂は、田舎で養蜂するより飼育場所や分蜂対策の難易度が高いです。 都市養蜂を計画している初心者の方は、まず人が少ない場所で養蜂経験を積んで一通り養蜂作業ができるようになってから都市養蜂にチャレンジしたほうが良いでしょう。 養蜂経験者ならすぐに都市養蜂をしても大丈夫ですが、内部検査には気合いを入れた方が良いです。
ミツバチは刺すので、人口が多い場所ではトラブルの原因になります。 分蜂を極力防ぐために内部検査をサボらないようにしましょう。