巣門に取り付けるタイプの隔王板の主な利点は、①分蜂の防止、②大きな外敵の侵入防止になります。
欠点は、働き蜂の通行の邪魔なったり、働き蜂単独で大きなゴミを巣箱の外に捨てに行けない事です。 また、体の大きなオス蜂は隔王板の隙間を抜ける事が出来ないので、オス蜂を外に出すには多少工夫が必要になります。 しかし、オス蜂が外に出れるという事は女王蜂も同様に巣箱外に出れるようになるので分蜂防止のメリットが消えてしまいます。
直径4.8mmの穴が沢山開いている隔王板です。通常は花粉採り器として使いますが、隔王板としても機能します。 | |
一般的な巣門用の隔王板です。製品により隙間の幅が微妙に違いますが、隙間幅は4mm前後の製品が多いです。
写真の製品は、隙間幅が4.0mmと少し狭いです。 隙間幅が狭い程、分蜂を抑える性能が高くなりますが、隙間が狭すぎると働き蜂も通り抜けに苦労します。 |
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これは継箱用の隔王板ですが、プラスチック製なので容易に切る事ができ、巣門用・その他色々な用途に使う事ができます。
隙間幅が4.3mmと丁度良く、使い勝手がとても良いです。 |
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オス蜂開放口が付いている巣門用の隔王板です。
オス蜂は開放口から外に出る事は出来ますが、蜂の習性上、内部に戻る事は殆どできません。 このタイプの製品は、オス蜂を自動的に除去したい時にも使えます(オス蜂開放口の原理はこちらのページを参照して下さい)。 |
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自作のオス蜂開放口が付いている巣門用の隔王板です。 自作巣箱の巣門に取り付け出来るように作りました。 オス蜂開放口は、王台ガードで作りました。 | |
こちらは継箱用隔王板を切り、巣門用として利用しました。
継箱用の隔王板は大きいので、色々なサイズの巣門用隔王板に変更できます。 |
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巣門に取り付けた様子です。 働き蜂達は初めは隙間に戸惑いますが、慣れてくると隙間の通過が上手くなります。
一部の働き蜂は、オス蜂開放口から出入りします。 |
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オス蜂開放口から外に出て、内部に戻れなくなったオス蜂達の様子です。
オス蜂が多い群では、一時的に巣門前が巣箱に入れないオス蜂だらけになります。オス蜂は羽音がとても煩いので、住宅地でオス蜂を除去する際は周囲の住民に気を使ってください。 |
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巣箱内の大きなゴミ(発育不良の蛹や成虫の死骸)を、隔王板の外に出そうとしている働き蜂です。 しかし、働き蜂は大きなゴミを持ちながら隔王板の隙間を通る事はできません。 ゴミを持ったまま隔王板の隙間を抜けれない働き蜂は、大きなゴミを外に出すのを諦め巣門近くに捨てたり、又はゴミを齧り小さくしてから隙間を抜けて捨てに行きます。 |
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巣箱内の大きなゴミ(発育不良の蛹や成虫の死骸)を、数匹で隔王板の外に引っ張り出している働き蜂達です。 働き蜂達が協力しあえば、大きなゴミも隔王板の外に出せます。 |
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隙間を通り抜け出来ない働き蜂が多過ぎる場合は、隔王板の隙間を少し削る、又はより隙間が広い物を使ってください。
補足:群により働き蜂の体の大きさは微妙に変わります。 |
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隔王板の隙間を削る道具:
隔王板の隙間を均等に広げるには、電動ドリルドライバー(インパクトドライバーも可)を使用すると簡単です。 4mmの隙間を4.2mmにしたいなら、直径4.2mmのドリルを使用します。 隙間とドリルの大きさが違い過ぎると、隙間が歪んで削れます。 そのため、隙間とドリルの差は0.2mm位にした方が良いです。 |
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隙間の削り方:
ドリルを隙間に入れ回転させ、軽く左右に動かし隙間を削り広げます。 一度隙間を削ると、元の幅には戻らないので削り過ぎに注意しましょう。 隙間に付いた削りカスは、ガスバーナー等でサッと焼いて除去できます。火を当てすぎるとプラスチックが変形するので気を付けてください。 |
隙間幅3.8mm = 働き蜂の通過性はとても悪い
隙間幅4.0mm = 働き蜂の通過性は悪い
隙間幅4.2mm = 働き蜂の通過性は普通
隙間幅4.5mm = 働き蜂の通過性は良い
隙間幅5.0mm = 働き蜂の通過性はとても良い
小柄な女王蜂は、直径4.8mmの穴や4mm隙間を稀に抜ける事があります。 そのため、隔王板の「分蜂防止機能」を過信しないで下さい。