ミツバチは香と餌の関係を記憶しており、自分が知っている餌の香に対しては敏感に反応を示します。ハチミツを絞っているとミツバチが直ぐに寄ってくるのは、ハチミツの香=餌と知っているからです。
対照的に、巣箱から離れた場所に砂糖水を大量に置いてもミツバチは砂糖水の香を知らない為、ミツバチが「砂糖水=餌」と認識するまで相当な時間が掛かります。
ここでは、普通なら相当な時間が掛かる未知の餌への認識を劇的に早くする方法を記載します。
ミツバチに餌を認識させる方法は二つありますが、一番簡単な方法がこれです。
ミツバチに特定の香を付けた餌を少量与え、「特定の香=餌」と認識させます。これで後は同じ香り付けをした砂糖水を自力で探してくれます。 |
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アニスについて
アニスという植物の種には、ミツバチを強く誘引する効果のある香成分(アネトール)が多く含まれています。ただ、この香だけでミツバチがすぐに誘引されることは無かったです。 アニス種はアロマオイルとしても使わており、入手は容易です。 |
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製品版のアニスシードオイルを買わなくても、香付き餌は簡単に自作できます。
必要なのは写真の道具です。アニス種はスーパーの香辛料コーナーで売っています。 アニス以外にも、ファンネル・八角・その他ミツバチが好きな香で代用できます。 |
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香辛料の種(アニス・ファンネル・八角・その他)を、ゴマすりで荒く磨り潰したら、容器にハチミツと一緒に入れます。 | |
蓋をすれば、香付き餌の完成です。これを餌(砂糖水等)を認識させたい群のミツバチに与えれば、その香のする場所に寄ってくるようになります。 |
次は香を使わず直接餌の場所をミツバチに教える方法です。
まず、巣門付近にハチミツを入れた小さな容器を置き、巣門付近のミツバチに吸わせます。 | |
蜂がハチミツを吸っている間に、小さな容器ごと蜂を餌場まで連れていきます。 | |
ハチミツを吸い終わった蜂の行動をよく観察しましょう。「ここは良い餌場だ」と認識したミツバチは特定の動きをします。蜂が餌場を認識すれば成功です。
ポイント: 蜂が餌場をなかなか認識しない時があります。その場合は、認識するまで根気よく蜂を餌場まで連れてきましょう。 |
花蜜が豊富にある季節(春や秋)は、仮にミツバチが餌場を認識しても砂糖水の濃度が薄いと「良い餌」と判断されずミツバチが来ません。 その為、花が多い季節は砂糖水を可能な限り濃く作りましょう。 対照的に、花蜜が少ない季節(夏など)は、薄い砂糖水にも大量の蜂が群がります。