2016年7月16日、沖縄は晴れです。
西洋ミツバチ掲示板にて、ハッチ@宮崎様が「アニスにはミツバチ誘因性があると書籍に書かれてるよ。」と教えてくれました。書籍名は、野生ミツバチとの遊び方 Thomas D. Seeley (原著)です。
アニスとは香辛料になる植物で、種はキシリトールガムの香がします。香の成分はアネトールと言いお菓子や料理の香付けに使われています。
アニスは、サンエー(沖縄の大型ショッピングセンター)で200円位で販売されてました。こんなに簡単に入手できるとは・・・
アニスの他にフェンネルという香辛料も買いました。こちらの香成分もアネスと同じアネトールです。また、フェンネルは蜜源植物でもあります(甘辛いような香がします)。 効果的には同じ?気がするので、今回の実験ではアニスだけを使用しました。 |
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とりあえずアニス種を荒く砕いて、それぞれ水とエタノールを加えてみました。
今回は水溶液の方を実験に使いました。 |
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写真中央の実験台で、砂糖水(濃度40%)と砂糖水(濃度40%)+アニス水溶液の比較試験を行いました。実験台は、巣門から約1mくらいの距離に設置しました。
前の実験で使用した砂糖水バケツは、空だったのでそのままにしました(写真手前)。 実験で使用する群は、1段目の群です(写真の奥)。 |
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砂糖水バケツの中には、砂糖水が全く無いにも関わらず数匹の蜂(斥候蜂だと思われる)が餌を探していました。
また、斥候蜂がバケツ周囲を常時1~2匹飛んでいました。 |
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まずはアニスを加えずに砂糖水だけでミツバチが来るか試しました。
ミツバチの飛行ルート付近+斥候蜂が周囲に多いにも関わらず、30分経っても1匹の蜂も来ませんでした。 やはり、巣箱から離した給餌は少し工夫しないとダメな様です。 |
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本命の実験に移りました。右側の砂糖水にアニス水溶液を1mmL位入れました。
香が強かったので、蜂は直ぐに来ると思っていましたが・・・1時間経過しても1匹の蜂も来ませんでした。 アニス香・・・ミツバチを誘因出来ず。 |
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このまま実験を終わらすのも嫌だったので、砂糖水側で前回実験の再現性確認を行いました。
門番付近から蜂を数匹連れてきて、餌場認識行動が起きるのを待ちました(15匹ほど連れてきた)。 |
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砂糖水の餌場確認中の蜂が、なぜかアニス砂糖水の方にも行きました。
砂糖水と距離が近いので、間違って行ったのかな~と思いました。 |
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10~15分後、砂糖水・アニス砂糖水の両方に1~4匹の蜂の訪問が始まりました。
両方とも餌場として認識したようです。この時点では、訪れる蜂数は同じくらい。 |
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蜂達が実験中の砂糖水を認識したのは良いですが、空のバケツに行く蜂も徐々に増えてきました。
この砂糖水を入れていたバケツは、前日に大量の蜂が砂糖水を飲みに来ていたのでフェロモンだらけです。 フェロモンが濃い+実験台の近くという事もあり、多くの蜂が餌場はこことだと勘違いしています。 |
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時間が経つにつれ、アニス砂糖水の方に行く蜂が多くなりました。砂糖水にアニス香を付けると蜂の嗜好性が高まる?ようです(もしかしたら砂糖水側は、蜂がバケツに行っていたかも)。
今回の実験では、アニス香による蜂の誘因は確認出来ませんでしたが、アニス砂糖水を半日くらい置いておけば蜂が認識する可能性は高いと思いました。これについては、次の機会に半日掛けて試します。 |
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実験中に一つトラブルが起きました。時間が経つにつれ、砂糖水バケツ(空)の方に行く蜂がどんどん多くなり、あたりは砂糖水にありつけない蜂で大混乱になりました(分蜂並みでした)。 | |
バケツ内にはこんなに蜂が増えています。周囲は蜂だらけで、大変な事になっていました(住宅地です)。 | |
実験台に置いていた砂糖水2つを即撤去し、実験を中止しました。
今回のトラブルによりミツバチの餌場認識は、けっこうアバウトだと痛感しました。「仲間に餌場を適当に教えて、あとは現地でフェロモン・花の香を頼りに自力で探して」というスタイルなようです。この習性は、何かの養蜂本に書かれていました。 |
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30分後、砂糖水が無いと気付き、先ほどまでの騒ぎが嘘のように静まりました。
尋常じゃない蜂の派遣数から、この群は砂糖水バケツを最重要餌場として認識・記憶しているようです。 |
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今回の結果・トラブルを元に色々考えてみました。
与える砂糖水にアニス香を加え、継続的に群に与え続けると「アニスの香=餌」と、群が認識できるようになると考えました。 一番初めの餌場認識だけは、斥候蜂を連れてこないと厳しいかもしれませんが、群に香を学習させておくと色々便利だなと思いました。 巣門でアニス砂糖液を与えるのも良いかもです。巣門で香を学習させ、あとはアニス香を基に自力で餌場を探せと。これも次に試します。 |
もう少し調べたい事が出てきたので、実験を続けます。