ミツバチが入っている巣箱の輸送は、自分で輸送するか郵便局を使う事になります。 現在、郵便局以外でミツバチの輸送を扱っている運輸会社はありません。郵便局を利用してミツバチ群を輸送する場合は、絶対にハチを漏らしてはいけないので、色々厳しい制約があります。詳しくは郵便局にお問い合わせください。

ここでは、自分で巣箱を輸送する方法を説明します。
一連の流れは、巣枠を巣箱に固定する → 夜になり外勤蜂が巣箱に戻ったら巣門を閉める → 次の日に車で輸送という流れに成ります。外勤蜂も含めた輸送はコチラを参照して下さい。

外勤蜂を輸送しなくて良い場合は、必要な巣枠(内勤蜂多め)だけを取り出し直ぐに輸送する事も可能です。

ミツバチ群を県外に輸送するにはフソ病検査が必要です。フソ病検査実施まで時間が掛るので、輸送する一カ月前から市の担当者と連絡をとり検査日を決めて下さい。輸送先のミツバチ条例にも注意して下さい。

同じ都道府県内への輸送だと、巣箱移動後一カ月以内に市役所に蜜蜂飼育変更届を提出します。詳しくは蜜蜂振興法をご覧ください。

ミツバチの輸送(内部のハチのみの場合)

用意する物

適度な長さの釘(4~7cm)とカナズチを用意してください。 参考までに、私はバッテリー式電動ドライバーでネジを打ち込んでます。 巣枠固定効率が3倍位になりますが、巣箱が少ない一般の方には必要無いと思います。

移動させたい群(元群)

蜂が多くなってきたので、この群から巣枠3枚を取り出して他に輸送しました。 この群全てを移動させたい場合は、この巣箱に直接巣枠を釘で固定していきます。

蜂を黙らせる

煙で蜂を静かにさせます。 面倒な時はそのまま巣枠を抜きます。

静かになった蜂

煙効果で蜂が大人しくなりました。 この状態から巣枠を抜いて他の巣箱に移しました。

巣枠3枚を移した様子

こんな感じで巣箱に移しました。この輸送する3枚群には女王蜂も居ます。

元の群

巣枠3枚を抜かれた元群です。 女王蜂も抜かれたので女王蜂を作り始めるでしょう。

巣枠固定作業開始

初めにミツバチに砂糖水を散布しましょう。 ミツバチは砂糖水を吸っている間は大人しくなり、釘打ちの衝撃でも騒ぎにくくなります。

輸送前の給餌も出来て一石二鳥です。

釘打ち開始

釘を写真の様に打ち込んでいきます。 ミツバチが砂糖水を吸っている間は多少の衝撃では騒がないので、どんどん打ち込みましょう。

巣枠固定完了

釘を巣枠の両端に打ち込んで3枚全部固定しました。 面倒な時は一番隅の巣枠だけ固定する事もありますが、移動時に巣枠が外れる恐れがあります。 長距離移動させる時は、全部固定したほうが賢明だと思います。

巣箱を閉める

巣枠が固定できたら、巣門やフタを閉めてミツバチを巣箱に閉じ込めて下さい。

巣箱の最終チェック

移動時に巣箱が開かないように、要所要所をガムテープで固定してください。 一度、運転中に巣箱から蜂が漏れました。 こうならない為にも「ここから漏れそうだな」と思った所にはガムテープしてください。 車内に防御服も用意しとくと運転中も安心です。

参考までに、私が郵便局に巣箱(巣枠が9枚入る大型巣箱)を持ち込む時の写真です。

巣箱をアミで覆って輸送する方法が主流ですが、私はダンボールを使っています。換気窓も表と裏から2重に網をしています。これでミツバチが漏れた事はありません。

自分で輸送するなら、ここまで神経質になる必要はありません。

ミツバチが暑さで死んだ様子(蒸殺)

この群は、冬(気温19度前後)の出荷でしたが現地到着時には壊滅状態でした。気温が低くても積み荷の位置では全滅してしまう可能性があります。(郵便局に依頼)

暑さで死んだ場合は、画像の様に巣脾が溶けます。

ミツバチが暑さで死んだ様子(蒸殺)

画像の様にほぼ全滅です。郵便局に輸送を依頼する場合、ミツバチがどのような結果になっても責任は問えません。ミツバチを輸送する時は、常に全滅する可能性は有ると心得ましょう。

気温が30度以上ある季節は、巣箱内が高温にならないように直射日光や車内温度に気を付けて輸送してください。 ミツバチ群は、寒さには比較的強いですが暑さには弱いです。 そして、ミツバチは出来るだけ早く解放してあげてください。 閉じ込めてる日数が長いほどミツバチが弱ります。(*巣箱に1~2日閉じ込めるだけなら、ほとんど影響ありません。 )

真夏の車内は、クーラーや換気をしないと車内温度が60度を超えてしまう可能性があります。車の中に巣箱を放置しないでください。西洋蜜蜂の高温致死温度は46度位なので暑さで全滅してしまいます。

巣箱の輸送は気温が25度以下になるまで、なるべく避けた方が良いでしょう。真夏にどうしても輸送したい時は、クーラーを効かせて車内温度を低くして輸送して下さい。

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