西洋蜜蜂の群が弱くなる(働き蜂の数が減る)と、ミツバチがあまり付いてない巣脾枠が目につくようになります。 ミツバチが管理していない巣脾部分は、スムシの繁殖源になったりカサカサに劣化していきます。
スムシの幼虫に食われている巣脾枠です。働き蜂が巣脾枠を管理していれば、スムシの幼虫を除去するのでこのような事にはなりません。 スムシ被害はミツバチが付いていない巣脾枠で頻繁に起こります。 |
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スムシ(幼虫)は、巣房を糸で塞ぎ巣脾を内部から縦横無尽に食い荒らします。
スムシを放置すると、巣脾枠はあっという間にボロボロになってしまいます。 |
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ミツバチが管理していない巣脾部分がスムシに喰われ劣化し崩れた状態です。 こうなると貯蜜にも産卵にも使われません。邪魔なだけなので手で劣化部分を取り除いてしまいましょう。 取り除かれた部分はミツバチが造巣で再生してくれます。 |
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これはミツバチが管理している巣脾を顕微鏡で見た写真です。透明度が高くブツブツしたものが見えます。ツブツブが何なのかは解りません。 |
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これは劣化した巣脾を顕微鏡で見た写真です。透明度が低くツブツブが黒く成っています。 この劣化した巣脾からは蜜蝋がほとんど採れません。 |
働き蜂に管理されていない巣脾枠は、スムシ被害や劣化する前に巣箱から取り出して外部で保存する事ができます。巣脾枠の保存方法には色々ありますが、ここでは私お勧めの保存方法を1つ紹介します。
巣脾枠の色々な保存方法はこちらを参照して下さい。
一見、綺麗見える巣脾枠でも「すでにスムシの卵や小さな幼虫が潜んでいる」と考えなければなりません。
もし、スムシの卵や幼虫が付いたまま保存してしまうと、保存中に巣脾枠が食い荒らされボロボロになってしまいます。 その為、巣脾枠を保存する前に巣脾枠を冷凍し潜んでいるスムシのタマゴ・幼虫・蛹を殲滅します。 |
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標準巣脾枠の寸法は、幅49cm×高さ25cm位です。 一般的な大きさの冷凍庫ならギリギリ入る大きさです。
冷凍庫等で巣脾枠を4時間ほど冷凍処理すればスムシ殲滅完了です。 スムシ駆除処理をした巣脾枠は、スムシ成虫が接触できないようにして保存します(卵を産み付けられないようにする)。 巣脾枠とスムシ成虫の接触を阻む方法: ①巣脾枠を袋で完全に包む ②巣脾枠を密閉容器に入れる ③虫が居ない綺麗な室内で保存 |
巣脾枠を保存するのが面倒な時は、巣枠から巣脾部分を切り出しミツロウの原料にするもの良いでしょう。ミツロウの作り方はコチラを参照して下さい。
巣脾の保存やミツロウ作りも面倒な時は・・・思い切って巣脾枠を捨ててしまうのも手です。巣が足りなくなったら、新しい巣礎枠を与えれば良いのです。 自分はミツバチの管理外になり、且つ、古い巣脾枠はなるべく捨てるようにしています。
スムシ(幼虫)はミツロウを食べる厄介な生物ですが、スムシのおかげで自然界の余計なミツバチの巣は直ぐに解体されているとも言えます。 養蜂では、スムシは邪魔なだけの生物ですが自然界では必要な生き物だという事を理解してあげてください。