2016年12月15日 沖縄は曇りです。 昨日から急に寒くなりました。

実験結果

チモールが効かずスムシ幼虫がモリモリ育っておりました。チモール投与量の問題もあるかもしれませんが、チモールを使った駆除は諦めました。

チモールを使った巣脾枠の保存実験②(おわり)

チモール試験:

チモール結晶を投与した巣脾枠です。

チモール試験結果:

スムシは元気に育っていました。

CO2試験:

スムシを二酸化炭素で中毒死させようと試みました。

CO2試験結果:

袋内部のパージが難しく、スムシの動きを不活化する事はできましたが、即死させるまでは至りませんでした(不活化でOK?)。

CO2を使ったスムシ駆除は、密閉容器と内部パージが重要だと感じました。

ギ酸試験:

ギ酸も投与してみました(濃度70%・50ml)。 ギ酸を綿に湿らせて巣枠の上に3か所置きました。

ギ酸試験:

袋を密閉し1日放置しました。

ギ酸試験結果:

小さいスムシ幼虫はギ酸投与で殲滅できましたが、大きなスムシ幼虫はしぶとく生きていました。

ただ、大きなスムシ幼虫は活動を停止しており、そのまま密閉状態を継続すれば死ぬと思いました。

ギ酸はスムシに効果有りという事が解りましたが、危険な物質なのでダニ駆除同様に使用は余りお勧めできません。 画像はギ酸で死んだ小さなスムシ幼虫です。

パラジクロルベンゼン試験:

パラジクロルベンゼンはスムシに効くと海外サイトに書かれていたので、試してみる事にしました(参考文献1)。

パラジクロルベンゼンは、タンスなどに入れるよく知られた防虫・殺虫剤です。 写真は「ネオパラエース」という製品です。

追加情報: パラジクロルベンゼンは、かなり高い防虫効果がありました。 これが近くにあると、蜂蜜にアリが寄ってきません。

パラジクロルベンゼン試験:

ネオパラエースは、小さな袋の中に飴玉くらいの大きさのパラジクロルベンゼンが二つ入っていました。

防虫効果は4~6カ月と記載されていました(ゆっくり作用する防虫剤)。

入手が容易で且つ1袋800gで700円という安さは強みだと思いました。また、固体なので扱いも楽です。

パラジクロルベンゼン試験:

スムシが居る所だけ巣脾を切り抜き、ネオパラを1つ投与し密閉しました。

パラジクロルベンゼン試験結果:

1日後の様子です。スムシは生きていましたが、活動がとても鈍くなっていました。もう少し投与量を増やせば短期間でスムシを殺せそうです。

パラジクロルベンゼンは、防虫・殺虫剤だけあって確かにスムシ駆除に効果があると思いました。 しかし、この化学物質は人体に有害?なので使わないほうが良いと書かれているサイトもありました(参考文献3)。

ネオパラ処理した巣脾枠を再使用する時は、巣脾枠に付いた臭い(パラジクロルベンゼン)を十分に飛ばしてからミツバチに与えます。

冷凍でスムシ殲滅法:

巣脾枠を冷凍庫に入れ、スムシの卵・幼虫・蛹を全て冷凍駆除する方法もあります。

冷凍処理する時間は、-15度で2時間位です(参考文献2)。

巣脾枠を冷凍庫(-18℃)に3~4時間入れておけば、巣脾枠はスムシフリーになっています。 スムシを殲滅した巣脾枠は、袋や密閉容器に入れ、スムシ成虫が巣脾枠に接触できないようにして常温保存します。

冷凍庫に、49cm×25cmのスペースがあれば巣脾枠は入ります。また、寒い地域では、冬に巣脾枠を巣箱外に置けばスムシ駆除が完了します。

個人的にスムシ駆除&保存は、簡単で巣脾枠を汚染しない冷凍法が優れていると思いました。 他の方法は、巣脾が化学物質で汚染されたり管理が面倒だと思いました。

参考文献

参考文献1: パラジクロルベンゼンを使ったスムシ駆除

参考文献2: 冷凍温度など

参考文献3: パラジクロルベンゼンの有害性

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