蓋がされた王台は、人工的に保温しても女王蜂は羽化します。 ミツバチ用の王台保温器は売っていませんが、簡単に自作する事ができます。 また、温度調整機能のあるヨーグルトメーカー等は、そのまま王台保温器として使えます(温度計・湿度計の取り付けは必要)。
温度調整のできるヨーグルトメーカーです(9000円程度)。 48時間しか連続保温できないので、1日ごとに時間の延長が必要なのが玉に瑕です。
保温力はかなり強く短時間で内部の温度がグングン上がり、34℃で設定していても保温初期は一時的に45℃を超えるので、温度が安定するまでの慣らし運転と別途温度計が必須です(空焚き用に設計されてない)。 |
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蓋の一部を切り、温度・湿度計を設置できます。センサーは王台がある高さに設置し、ヨーグルトメーカー内部の温度を測定しながら設定温度を決めます。
湿度は、内部容器の底に水を少し入れておくと上げる事ができます(調整必須)。 |
王台保温器に要求される能力は、保温器内部の温度を33~35度、湿度を50~70%(相対湿度)に維持できる事です。この条件さえ満たしているなら、どんな保温器でも問題ないでしょう。
自作に必要な物
温度が調整できる加温装置と、温度湿度計(デジタル推奨)を1個つづ。 加温装置は、発熱電球+サーモスタット等・・・温度を調整できるものなら何でも可能。 ここで使用した加温装置とデジタル温度湿度計は下記になります。 自作した方が安く作れます。 |
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保温箱の大きさは、加温装置の大きさ+王籠を入れるスペースを考慮した物にします。
ここではダイソーの150円発砲スチロール箱を使用しました。 |
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加温装置が少し大きかったので、配線を切らない範囲で余白を切り取りました。 | |
発砲スチロール箱の一部を写真の様に切り取ります。 | |
切り取った穴の部分から、少しスリム化させた加温装置とデジタル温度湿度計を発砲スチロール箱内部へ通します。 | |
発砲スチロール箱の穴を塞ぎます。余計な隙間はテープ等で塞ぎますが、換気のため5mmほど隙間を残しましょう。 | |
温度湿度センサーは、王台が置かれる位置と同じ高さ部分に取り付けます。
湿度は、保温器内部に置く水の量で調整できます。水の代わりに飽和上白糖液を使うと、湿度調整が少し楽になります。 |
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保温器が完成したら、1日動かして内部の温度・湿度の様子を見ます。
温度は加温器で微調整、湿度は内部に置く水の量で微調整できます。 温度33~35度、湿度50~80%以内で安定したら調整終了です。 王台は呼吸しているので、保温器には小さな換気口を2つ付けています。一つは、発砲スチロール箱の切り口の隙間、もう一つはフタ部分。換気口が大きすぎると保温器内部の温度・湿度が安定し難くなるので注意です。 |
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保温器の調整が済んだら、保温する王台を用意します。
まず、蓋がされた王台を保温したいぶんだけ切り取ります。 |
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保温器に置くため+羽化した女王蜂が逃げないようにヘアロール型の王籠に入れます。
切り取った王台は、早めに保温しましょう。あまり冷やすと内部の蛹に悪影響です。 |
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王籠は、保温器内部に立てて置きます。
王籠の底に羽化した女王蜂の餌(ハチミツと砂糖を練ったもの)を入れた方が良いですが、保温器内の湿度が高いと砂糖が液状になり、女王蜂が砂糖液で溺死する事があります。 その為、餌の入れ過ぎに注意してください。 |
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保温器の蓋をしめ、女王蜂が羽化するまで保温します。
保温器を頻繁に開け閉めすると、温度と湿度が変動するので、保温器を開ける頻度は半日に1回くらいにしてください。 羽化した女王蜂は、王籠ごと取り出し無王群に早めに与えます。 |
下記は、王台保温器実験の記録になります。