通常、働き蜂産卵は女王蜂不在(王台も無い状態)が1~2週間続くと起こり始めます。 それ以外では、現女王蜂の働き蜂を抑制する力が衰えた時や弱群の時にも起こりやすいですが、この場合は働き蜂産卵ではありません。
補足: 健康な女王蜂も時々巣房に複数の卵を産んでいますが、働き蜂により余計な卵は迅速に除去されています。
ここでは女王蜂不在により発生した働き蜂産卵群の処置・対策方法を記述しますが、100%成功する保証はありませんのでご了承ください。 働き蜂産卵が起こっている群は「通常は産卵しない働き蜂が産卵している異常な状態」なので、群合同や女王蜂導入が失敗する確率が高いです。
卵や幼虫が沢山いる巣脾枠を与える 個人的お勧め度:☆☆☆☆☆ 他群から卵・幼虫・蛹が沢山産みつけられている巣脾枠(有児枠)を1~3枚取ってきて与えます。 働き蜂産卵群は与えられた卵から新女王蜂を作り始めます。また、若い働き蜂の補充にもなります。 |
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王台を与える 個人的お勧め度:☆☆☆ 他群から取ってきた王台を与えます。破壊される確率が高いので3~5個与えましょう。王台が破壊されるのを防ぐため、王籠に入れて与えるのも良いでしょう。 王台が働き蜂産卵群に馴染んでくれれば、新女王蜂が産まれます。 |
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交尾済み女王蜂の導入 個人的お勧め度:☆☆☆ 交尾済み女王蜂の導入は、働き蜂産卵群を迅速に有王群化できます。 ただし、女王蜂導入失敗も多いので注意が必要です。 女王蜂と有児枠を一緒に与えると、女王蜂が働き蜂産卵群により一層馴染みやすいそうです。 女王蜂の導入方法は女王蜂導入を参考して下さい。 |
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他群に合同する 個人的お勧め度:☆☆ 働き蜂産卵群を他群に合同します。働き蜂産卵群の合同は、通常の群合同より失敗する可能性が高くなります。 群合同はこちらを参照して下さい。 |
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働き蜂産卵群の合同失敗の様子 働き蜂産卵群と他群(有王群)の合同に失敗しました。 合同に失敗するとミツバチが殺し合い惨劇になります。 働き蜂産卵群を合同する際は、必ず他群の女王蜂を隔王籠に入れてから合同しましょう。 万が一、合同失敗で殺し合いが起きても女王蜂を守れます。 |
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群解散 or 放置 個人的お勧め度:☆☆☆☆☆ 働き蜂産卵群の処理に時間を取られたくない方、または上で説明した救済案に逆らう頑固な働き蜂産卵群に対する最終手段です。 群を解散(巣箱・巣脾枠を全部撤去)すると、残されたミツバチ達は近くの他群に自然合同します。 自然合同失敗で多少殺し合いが起きる事もありますが・・・見なかったことにして下さい(笑) 近くに他群が無い場合は、放置して自然消滅するまで待ちます。 働き蜂産卵群を放置すると雄蜂が沢山産まれるので交尾に役立つ時もあります。 |
働き蜂産卵を利用すると、意図的にオス蜂を大量生産する事ができます。 しかし、その対価は大きく・・・群がボロボロになります。
上記の写真は働き蜂産卵群です。働き蜂巣房でオス蜂を育てているので、働き蜂巣房がボコボコになります。
上記の写真は働き蜂産卵群の末期です。最終的には、雄蜂がとても多くなり働き蜂の寿命が尽きて群が消滅します。この雄蜂が多い群に交尾済み女王蜂を導入できても、働き蜂が減り過ぎているので女王蜂が産んだ卵を上手く育てられない事があります。そのような時は、有児枠を追加して働き蜂の補充をしてあげましょう。
働き蜂産卵群は王台も沢山作ります。ただ、正常の王台と違い少し変な形の王台に成る事があります。働き蜂の卵(無性卵)では女王蜂が作れないので、王台から新女王蜂が産まれる事はありません。
働き蜂産卵群への処置は早ければ早いほど良いです。日数が経つほど群の状態が消滅に向けて悪くなっていくので早期発見が大切です。