西洋蜜蜂(ミツバチ)は大手養蜂園で売られている標準巣箱で飼育してもいいですが、自作のオリジナル巣箱を作れるようになると養蜂の幅が広がります。 巣箱自作の注意点ですが、巣箱は標準巣枠が設置できるように作りましょう。 巣枠まで独自の寸法にしてしまうと、汎用性が著しく下がるのでお勧めできません。(他の養蜂家にミツバチを譲渡する際に、巣枠規格が合わないと問題になります。)
上記の事項を考えて作れば、養蜂する上で特に問題は無いでしょう。
次は、私が現在使っている巣箱の作り方を紹介します。 材料費節約と作業効率重視の為、全く飾り気が無く面白くない作りです。 一通り説明しますが「こういう風に作っているんだ」位で見てください。
標準巣箱・交配用の小さい巣箱・自作の巣箱等・・・色々使っています。 試作して実用性を試しています。 今所、ミツバチが住まなかった巣箱はありません。西洋蜜蜂の適応能力は高いです。 |
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試行錯誤の結果、現在はこの巣箱を使っています。 巣箱が小さく暑さに弱いので、夏はフタを少し開けて通気性を確保しています。 |
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巣枠は6枚入ります。 群を増やす事に特化した巣箱で、採蜜用には向いていません。組立の負担を減らす為、部品数を極限まで少なくしています。 材料は杉板(2000mm,300mm,15mm)の物をDIYセンターで調達してカットまでお願いしています。 材料費は、1個1300円位で作れます。 ベニア板で作ればもっと安く作れますが、天然の材木が持つ通気性と強度を重視してます。 |
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カットされた杉板(厚さ15mm)です。 穴などは、あらかじめ工具で開けて網を張っています。 農業資材など利用できるものは何でも利用しています。 |
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巣箱の横の板です。 寸法は495mm*290mmです。 2枚必要です。 |
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巣箱の横の板です。 寸法は270mm*240mmです。 2枚必要です。 |
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巣箱の横の板です。 寸法は300mm*150mmです。 2枚必要です。 |
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巣箱の底の板です。 寸法は495mm*300mmです。 1枚必要です。 |
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巣箱の底の足です。 寸法は300mm*50mmです。 2枚必要です。 |
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巣箱のフタです。 寸法は525mm*300mmです。 1枚必要です。 フタは変形しやすいので、ベニア板で代用しても良いです。 |
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最近はステンレス製のネジを使っています。 鉄製のネジは錆びてきますが、今の所問題は起きていません。3年位は持つのかもしれません。 |
では、組み立て方法を見てみましょう。
巣箱の横から作り始めます。 |
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巣箱っぽくなってきました。 |
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ここは手で持つ場所なので、釘を沢山打ち込みます。 巣箱を持ってる時に外れると大変ですからね。 |
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巣箱の横が完成しました。 もう8割完成です。 |
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次は、巣箱の底を作っていきます。 |
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巣箱の底に板を取り付けました。 無くても大丈夫ですが、低い足も取り付けます。杉はなかなか腐敗しないです。現在2年使ってる巣箱の足はまだまだ使えそうです。(キノコ等の植物を分解する菌には弱いです。) |
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足を取り付けて巣箱の底が完成です。 |
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フタを乗せれば巣箱の完成です。とてもシンプルです。 フタが一枚板なので、ズラして巣箱内部をちょっと見たりできます。個人的にはとても気に入っています。 唯一の欠点は、群を移動させる時に巣箱にフタを固定させるのが少し面倒です。 |
私は巣箱にペンキを塗る代わりに、ベニア板を乗せて太陽光や雨による巣箱の劣化を遅らせています。 ベニア板は、夏など気温が高い時期に直射日光が巣箱に当るのも防げます。(遮光板になります。)
巣箱の上にはベニア板を乗せます。(遮光できる物なら何でも可) |
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重しとしてブロックや石を乗せます。 重いブロックを乗せる事で木特有の曲がりを矯正できます。天然の木材は乾燥したり、時間がたつと年輪の形状に合わせて曲がってきます。 一枚板のフタは顕著に曲がってくるので重しは必要です。 フタが曲がるのが嫌な場合は、厚めのベニア板で代用して下さい。 |
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巣箱とベニアの間に隙間を作り、換気口に雨が入らないようにしてます。 隙間に虫が住み着き易いので、遮光板を取る時は害虫に気を付けましょう。 台風時はブロックを2個乗せています。 |
皆さんも自分だけの面白い巣箱・用途に合わせた巣箱を作ってみましょう。
出荷用の小さい巣箱を自作したい場合は、こちらを参考にして下さい。
2015年6月14日追加: シンプル巣箱シリーズはこちらの図面を参考にして下さい。