ロイアルゼリーとは、女王蜂幼虫の餌になるドロドロした物質です。ロイアルゼリーは、健康に良いという事でロイアルゼリー配合の健康食品が多く販売されています。
*「Royal jelly」の日本語発音は、ロイヤルゼリー、ローヤルゼリー等・・・色々な言い方がありますが、ここでは一番英語に近い発音だと思われるロイアルゼリーという名称で統一しています。
ロイアルゼリーは、女王蜂が育つ場所である「王台」の中にあります。 | |
ロイアルゼリーは、王台内部に女王蜂の幼虫と共に入っています。 | |
幼虫が大きくなるにつれ、ロイアルゼリーは王台内部に沢山溜まってきますが、通常は王台に蓋がされる前に回収します(幼虫が4~5日齢の時)。 ロイアルゼリーは、一つの王台から0.1~0.4gほど採れます。 |
王台1個から採れるロイアルゼリーの量は非常に少ない為、ロイアルゼリーを沢山採るためには、王台(幼虫入り)も多く必要になります。
王台を沢山作る=女王蜂の量産と同じ事なので高い養蜂スキルが必要になります。 もし、ロイアルゼリーを大量に作りたい場合は、「女王蜂の作り方」のページの下の方(女王蜂の量産)を参考にして下さい。 下記の写真は人工王台に貯められたロイアルゼリーです。
ここでは、ミツバチが自発的に作る自然王台や変成王台からロイアルゼリーを採る事を前提に話を進めます。それなら王台を量産する事と違い、養蜂初心者でも比較的簡単にロイアルゼリーを採る事ができます。
自然王台は、分蜂しようとする群(分蜂熱と言う)に作られます。分蜂熱は強群に多く見られ、定期的な内部検査で自然王台を全て除去しても、ミツバチは分蜂できるまで何度でも自然王台を作り続けます。 自然王台を除去しても何度でも作り続けるという事は、一度ロイアルゼリーを王台から採っても、また数日後には王台が復活することを意味します。
このように通常は厄介な分蜂熱も、王台からロイアルゼリーを定期的に採るという視点でみれば、とても役に立つミツバチの性質になります。
対照的に変成王台は、女王蜂が急に居なくなった時に緊急に作られる王台です。自然王台と違い分蜂熱が無くても、王台をミツバチに作らせる事ができます(女王蜂を群から抜く)。 しかし、自然王台と違い、一度ロイアルゼリーを採ると王台は復活しません。
自然王台・変成王台、どいらでも構いませんが、内部検査時に王台を発見したら内部を覗いてみましょう。
内部に幼虫が居れば、ロイアルゼリーもあります。幼虫が大きい程、沢山ロイアルゼリーが王台内部に貯められています。 蓋がされている王台からもロイアルゼリーを回収できますが、古くなっている事が多いので食には適さないです。 |
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王台からロイアルゼリーを採るには、王台上部を破壊し、内部の幼虫をピンセット等で取り除きます。
次に王台内のロイアルゼリーを小さいスプーン等ですくい出します。採ったロイアルゼリーは、容器等に入れ早めに冷蔵or冷凍保存します。 |
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小さなスプーンで、王台内部からロイアルゼリーを採り出した様子です。 |
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王台内の不必要な幼虫は、ミツバチ達のタンパク源になりますので、巣箱内の働き蜂が多い所に捨てて下さい。 写真は、幼虫を解体し食べている働き蜂達の様子です。 |
採りたての鮮度抜群のロイアルゼリーを食べれるは養蜂家だけです。 王台を見つけたら、分蜂を防止する為にただ潰すだけでなくロイアルゼリーも採ってみましょう。
注意点: 自然王台の場合は、王台を全て除去しても群に女王蜂が残るので問題ありません。逆に全ての王台を除去しないと分蜂の可能性があります(現女王蜂の巣別れ)。 しかし、変成王台の場合は、群に女王蜂が居らず全ての王台を除去してしまうと新女王蜂が生まれてきません。 その為、群に女王蜂が居ない場合は、王台を最低でも1つ残さなければなりません。