せっかく防犯カメラやトレイルカメラを購入しても、設置する場所が悪いと効果的な防犯対策になりません。 通常の防犯カメラは固定式(一か所を撮影し続ける)なので、人間が撮影ポイントを考えて設置しなくてはなりません。

各防犯カメラの性能と特徴

安価な防犯カメラ

固定式で一か所を撮影し続けるタイプのカメラです。 センサーが付いている物は、動きに反応してライトが付いたりします。 また、夜間撮影できるものは赤外線LEDを内蔵しています

価格:1万円前後
監視範囲:10m前後
動画の画素数:38万画素(ブラウン管テレビ位の映りです)


高性能な防犯カメラ

安価な防犯カメラより撮影距離が長く綺麗に撮影できるタイプ、とても広い範囲を撮影できるタイプ、カメラが動くタイプ(首振りやズームが出来る)、インターネット経由でカメラを遠隔操作できるタイプ等があります。

高性能防犯カメラは、安価な防犯カメラでは役不足な所で使用します。

価格:2万~10万(製品によってかなり異なる)
監視範囲:25m (製品によってかなり異なる)
動画の画素数:210万画素 (製品によって異なる)
写真の画素数:210万画素 (製品によって異なる)

防犯カメラの録画装置について

防犯カメラは撮影のみを担当しており、通常は録画装置も別途必要です。 4台のカメラを接続できる録画装置が一般的です(1度に複数台の録画が可能です)。

録画した映像は、テレビやPC用モニターで見る事ができます。防犯カメラに必要な機器類は、①防犯カメラ、②カメラと録画装置を結ぶ回線、③録画装置、④テレビ or PCモニターとなります。

左の写真は、カメラ1台用の録画装置です。ハードディスクは積んでおらずメモリーカードに動画を記録します。モーションセンサーが機能があり、何か物が動いた時だけ撮影するように設定する事ができます(動画の変化で動きを認識している)。

防犯カメラセットの概要図

カメラには録画装置から電力が供給され、カメラは映像を録画装置に送ります。

色々な設定は録画装置で行います。 PC用のマウスや付属のコントローラを使用します。

モニター(テレビ等)には、録画装置からリアルタイム映像が送られます。 録画した映像を見る事も可能です。

録画装置とモニターは、100V電源(一般家庭のコンセント)に繋ぎます。

防犯カメラと録画装置は、単品購入するよりセット購入した方が絶対にお得です。 アマゾンなどでお得な防犯カメラセットが格安で販売されています(店頭販売は高いので通販がお勧め)。

トレイルカメラ

トレイルカメラとは、野生動物を撮影するために使われている道具ですが防犯カメラとしても使えます(夜間にも対応)。

トレイルカメラは、センサーが反応したときだけ撮影します。動画の撮影時間は60秒程です。 センサー反応から撮影開始まで0.3~4秒掛ります。 性能が良いトレイルカメラほど、直ぐ撮影が開始されます。

トレイルカメラは、一般的な防犯カメラと比べると、動きが早い物に全く対応できなかったり撮影性能は悪いですが・・・ 電池式で且つ録画装置等が要らずお手軽な防犯カメラです。 特に、100V電源が確保できない場所ではとても役に立ちます。

監視範囲:5~10m
動画の画素数:約30万画素
写真の画素数:500~1000万画素

自分が購入したトレイルカメラの説明はこのページを参照して下さい。

カメラの画素数が高いほど綺麗な写真・動画が撮れます。 30万画素で昔のブラウンカンテレビ位の映像です。 トレイルカメラは写真画素数が圧倒的に高く綺麗な写真が撮れますが、センサー反応後から撮影開始まで約0.5~3秒掛るので被写体が高速移動してる場合は撮影できない事が起こります(動画は特に撮影開始が遅い)。

防犯カメラの設置について

防犯カメラセットを購入した場合、防犯カメラ本体を高い所に設置したり回線を室内へ通す作業が別途必要です。 防犯カメラの設置は、テレビのアンテナ取り付けや回線引き込み作業と大して変わらないのでDIYが得意な人なら簡単に出来るでしょう。

回線を通す穴を新規に開けても良いですが、窓のサッシ部分(防犯カメラ用隙間引き込み用ケーブル使用)やエアコンのダクト穴も回線を引き込む場所として利用できます。 設置作業が苦手又は面倒なら、お近くの電気屋等に設置を依頼する事もできます。 ※業者にカメラ設置を依頼する場合は、料金見積もりを必ず取りましょう。

トレイルカメラは室内に引き込む回線等が無く設置のみです。 トレイルカメラは撮影した写真や動画を見る為に、本体からメモリーカードを抜かなくてはならないので設置は自分でしなければなりません。



防犯カメラの弱点

本題の防犯カメラの設置場所を説明する前に知っていて欲しい事があります。それは防犯カメラの弱点の事です。防犯カメラは万能ではなく状況によっては上手く撮影できない事が起きます。

侵入者が高速移動している場合:
侵入者が歩いている程度なら綺麗に撮影できますが、走っているとボヤけた状態で撮影されます。顔を左右に振り回しながら、高速移動されると誰が写っているか全く解らないです。

周囲が明る過ぎる場合:
画像が白っぽくなります。真昼など太陽光が強過ぎる時に起こりやすいです。 撮影性能が高いカメラ程、この現象は起こりにくくなります。

周囲が暗過ぎる場合:
夜など暗い時は、夜間撮影機能を持ったカメラでなくては撮影できません。 もし、夜間撮影が必要なら、防犯カメラは必ず夜間対応の物を買いましょう。
白・赤色LEDを対象物に照射して撮影するカメラ、少ない光を増幅させて撮影するナイトビジョンカメラなら夜間にも対応しています。

防犯カメラの死角:
通常の防犯カメラは接近されると撮影できない死角が多くなります。 そのため、なるべく撮影したい場所から離して設置しましょう。 撮影射程が長いカメラ程、遠くから広い範囲を撮影できるので有利です。また、広角レンズを搭載しているカメラなら接近されても死角は少ないです。

防犯カメラの無効化:
手の届く範囲であれば防犯カメラは簡単に無効化(破壊したりレンズにシールを貼る等)できます。 その為、防犯カメラは手の届かない高い所に設置したり、目立たない場所から隠し撮りをした方が良いでしょう。 ダミーカメラなら壊されてもコスト的に痛くないので、敢えて目に付く所に設置して威嚇用に使うのも良いでしょう。

ダミーカメラについて:
ある程度防犯カメラを扱っている人が見れば、安いダミーカメラは作りが雑すぎて直ぐに見抜かれます。もしダミーカメラを付けるなら、少し高くなりますが本物のカメラと同じように動作するダミーカメラをお勧めします(撮影機能が無いだけで、他は本物と同じダミーカメラが販売されています)。
 
外観が本物のカメラと同じで、且つ本物と同じようにライトが付いたりするダミーカメラは本物と見分けがつきません。

防犯カメラには上記のような弱点がある事を考慮し、設置場所を決めなけれなりません。

防犯カメラの設置場所

カメラ設置の基礎①

侵入者がなるべく長い時間、監視範囲に入る位置に設置しましょう。侵入者を正面・斜めから撮影できる場所がベストです。

カメラ設置の基礎②

画像の様に侵入者が監視範囲を横切るようだと、撮影時間が短く動画から入手できる情報が減ります。

また、相手がカメラ近くを走って横切った場合は、一瞬で監視範囲から抜けてしまいます。 この場合、センサー式のトレイルカメラだと撮影が間に合いません。

警報装置の場合

カメラと違い警告音を出す機器だと、動体を1回センサーが感知するだけ良いので「横切り」でも問題は起きません。

カメラの設置場所①
(出入口が1ヶ所の場合)

出入口が1ヶ所の場合は、侵入経路が一か所に限定されるので出入口を中心に監視します。

山奥や住宅でミツバチを飼っている方は、出入口が1つのこのタイプになりがちです。 侵入経路が少ないので一番監視しやすい地形です。

カメラの設置場所②
(2面に壁がある時)

侵入経路が多くなるので、巣箱付近を中心に監視します。 侵入経路が有る程度予測できる地形なら、そこを重点的に監視しても良いでしょう。

簡易の柵(赤線部分)などを設置して侵入経路を限定してしまうのも有効です。

カメラ設置場所③
(1面にしか壁が無い時)

侵入経路が多いので、巣箱付近を中心に監視します。

侵入経路が多いと全ての場所を監視する事は難しいです。侵入者の通りそうな場所・来る場所を予測してカメラを設置しましょう。

カメラの設置場所④
(周囲に障害物が無い場所)

畑などに巣箱を置いた場合は、どこからでも侵入できるので全体の監視は厳しいです。 その為、巣箱を中心に監視する事になります。

開けた畑などでは、カメラの隠し場所・電源の確保が難しいのでカカシなどにトレイルカメラを仕込んで密かに監視すると良いでしょう。

あえて巣箱を撮影せず、道路など侵入者が車を停車しやすい場所を撮影するのも良いでしょう(車のナンバーを撮影する)。

ハニートラップ作戦
(周囲に障害物が無い場所)

地形的に監視が難しい場合、あえて盗み易い場所に1~3個の巣箱を置いて、それを重点的に監視するのも良いでしょう。



まとめ

監視カメラは人の手が届かない所、見つけにくい場所に設置しましょう。

侵入経路が複数ある場合は、巣箱を置いてある場所の地形を考慮し侵入者が一番通りそうな場所を予測してカメラを設置します。 ※全ての場所を監視するには沢山のカメラが必要になり現実的ではありません。

本物のカメラを設置している場合は、ダミーカメラの効果が倍増します。 本物カメラと同じ型のダミーカメラを目立つところに設置し侵入者を威嚇しましょう。

巣箱を盗難する人は、まず現場を下見し準備(防護服等)を整えてから盗みに来ます。 録画映像にいつもと違う人が写っていた場合は注意が必要です。

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