ここでは花粉交配用ミツバチの管理方法を説明します。養蜂する気は無いけど、交配用ミツバチを長く使いたいという人向けに書いています。養蜂の専門用語・その他難しい事は書かない様にしています。状況に応じて交配用ミツバチを正しく管理する事でミツバチの生存期間が延びます。

ミツバチが配置される場所

屋外

屋外に巣箱を置く場合は、ミツバチに関して特に気にする必要はありません。砂糖水を定期的(1週間に一度)に与えていれば大丈夫です。

巣箱を屋外に置いて花粉交配させるタイプの栽培植物は、ミツバチが好む花を咲かせます。嫌いな花だとミツバチは訪花しないので注意が必要です。

ビニールハウス内

栽培している植物によっては、砂糖水だけではミツバチが弱ってしまいます。屋外よりミツバチの管理が難しくなりますが、ミツバチが嫌いな花にも強制的に訪花させる事ができます。

その他、ハウスの構造等でもミツバチの減りが変わってきます。ミツバチはハウス内の隙間や網に引っ掛かって死ぬ事が多いです。

人間と同様にミツバチも好き嫌いがあり、屋外で飼育していると嫌いな花には殆ど訪花しません。しかし、ビニールハウス内にミツバチを閉じ込めると、花粉源が限られるため嫌いな花にも嫌々ながら訪花するようになります。

また、無王群(幼虫が居ない群)は花粉をあまり集めないので、花粉交配に使うミツバチは有王群(女王蜂と幼虫が居る群)を使いましょう。

ミツバチを使う代表的な栽培植物(ハウス内)

イチゴ

イチゴは、ミツバチがある程度好む花を咲かせます。花粉もそれなりに出すので下記で紹介するマンゴーよりミツバチが長持ちします。

マンゴー

マンゴーはミツバチが嫌いな花を咲かせます。花粉も殆ど出しません。

マンゴーの花

屋外に生えているマンゴーの花にミツバチが訪花する事は滅多にありません。マンゴーの花が咲く季節(春)は、他にも優秀な花々が多く咲いているからです。

ビニールハウスにミツバチを閉じ込めて強制的に受粉活動をしてもらう事になります。

最後にミツバチの餌です。屋外で飼育している場合は特に気にする必要ありませんが、ビニールハウス内にミツバチを置いている場合は餌に気を付けなければなりません。

ミツバチの餌

砂糖

砂糖はグラニュー糖か上白糖がお勧めです。安い方を使って下さい。ミツバチに砂糖100~200gを一週間に一度与えると餓死を避ける事ができます。マンゴーなど蜜を出さない植物に受粉活動させる場合は、多めに300gは与えましょう。

砂糖は同量の水に溶かして、巣門の前に置いとけばミツバチは飲みに来ます。ミツバチが溺れないように割り箸等を沢山浮かべて足場を作って下さい。

さらに詳しい砂糖の与え方は餌の与え方を参考にして下さい。

花粉

花粉は、ビニールハウス内でミツバチを使用する時に必要になります。

本物の花の花粉を与える必要はなく、代用花粉というミツバチ用の餌が養蜂園で売られています。

代用花粉を定期的(一週間に一度)に50~100g程与えると、砂糖水だけを与えるよりミツバチが長持ちします。

水

ビニールハウス内でミツバチを使用する場合、巣門の前に水場を用意しましょう。写真の様にプラスチックのトレイに水を入れて、ミツバチが溺れない様に足場を必ず設置して下さい。

最後にミツバチに関する法律を説明します。ビニールハウス内でミツバチを花粉交配に使う場合はミツバチ飼育届出は必要ありません。しかし、屋外でミツバチを花粉交配に使う場合、お住まいの都道府県によってはミツバチ飼育届出の提出が必要になります。都道府県によりミツバチの条例が微妙に異なるので、詳しくは身寄りの市役所で聞いて下さい。

日本養蜂協会様でも、交配用ミツバチ管理の詳しいマニュアル(pdf)が配布されています。興味ある方は覗いてみて下さい。(リンクページの下の方にあります。)

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