2014年4月29日 晴れです。

今日は「王籠の種類と使い方」、そして「女王蜂生産の方法」を話題にしたいと思います。オス蜂が増えてくる交尾期(分蜂期?)に、王籠や女王蜂生産の知識があれば養蜂が更に楽しくなります。簡単な事なので初心者はぜひともマスターしましょう。虎次郎と83番の飼育日記は、今週の金曜日(5月2日)に山に行く予定なのでもう少々お待ち下さい。

王籠の種類と使い方

王籠(おうかご)とは

王籠(おうかご)又は隔王籠(かくおうかご)とも言います。女王蜂を一時的に隔離する小さな容器です。

写真の様に女王蜂以外にも働き蜂を数匹お伴させる事もあります。(女王蜂を他群に導入・輸送する場合等)

王籠にも色々な種類があります。

古典的な王籠(金属)

昔から使われている金属製の王籠です。最近はプラスチック王籠が主流だと思います。

熱伝導率が良いのと値段が高いのが特徴です。

古典的な王籠(金属)

金属製の王籠には開口部が上下に設置されています。

写真は王籠の上の開口部です。薄い金属板をスライドさせると開け閉めができます。

古典的な王籠(金属)

写真は王籠の下の開口部になります。

こちらは木のフタを上下に動かして、開口部の開け閉めをします。(ここが壊れやすいです。)

女王蜂や働き蜂を入れる場所は、どちらの開口部でも構いません。自分が入れやすい場所から入れて下さい。

古典的な王籠(金属)

木のフタには小さな穴が開いていますが、ここに砂糖とハチミツを練った物やキャンディー(砂糖を溶かした物)を詰めます。

王籠内の非常食になりますが、女王蜂を輸送するのでなければ特段気にする必要はありません。

古典的な王籠(金属)

木のフタの穴には金属板のフタがあります。キャンディーを穴に詰めてフタを外しておくと、女王蜂の自動導入が出来ます。

原理は、ミツバチがキャンディーを徐々に食べて数日後には王籠内に自由に出入りできるようになる為です。(女王蜂の開放)

プラスチック王籠とは

現在、主流の王籠だと思います。価格が安く耐久性もあります。

プラスチック王籠とは

金属王籠と同様に、餌を入れる場所があり女王蜂の自動導入ができるようになっています。

写真上の赤矢印の部分は取り外せます。

プラスチック王籠とは

写真のように面白い形をしたプラスチック王籠もあります。試しに購入してみました。

プラスチック王籠とは

以前は金属王籠が高いので、このような代用品(魚釣り用の撒き餌籠)を試していましたが、最近はプラスチック王籠を見かける事が多くなったので、もう使う事は無いでしょう。

働き蜂は出入できる王籠とは

女王蜂は5mmの隙間を通過する事が出来ませんが、働き蜂は通過する事ができます。(小さい女王蜂は通過する事も稀にある。)

そのような理由で、働き蜂は出入できるタイプの王籠は隙間が5mmになっています。

主に女王蜂の産卵を抑えたい時に使います。

働き蜂は出入できる王籠とは

金属製・プラスチック製・竹製がありますが、竹製を見かける事が多いです。

金属製の物も所有していましがた、全て人にあげてしまい写真が撮れませんでした。写真のプラスチック製の物も試しに購入してみました。

王台を保護する王籠とは

王台を保護する王籠もあります。用途は、産まれてきた女王蜂同士の殺し合いを防ぎます。

王台を保護する王籠とは

内部はこの様になっています。プラスチック製の物は、オレンジの所に王台を作らせる作業が必要です。(下記の女王蜂の生産方法を参照)

金属製の物は、螺旋状の部分に王台を直接置きます。

王台を保護する王籠とは

このように無理やり王台を王籠に突っ込む事も可能です。

王台を保護する王籠とは

これは王籠ではありませんが、王台を螺旋状の所に置いて、巣脾に突き刺して使います。形状から解るとおり、女王蜂同士の殺し合いは防げません。

あくまで王台設置用の道具なので、今では全く使っていません。

養蜂家はこれらの王籠を状況に合わせて使い分けます。私は単なる王籠マニアなので、見かけた王籠はできるだけ購入するようにしています。

次は女王蜂生産の方法を3種類説明します。自分が飼育している群・作業時間・費用に応じて選びましょう。ここでは放置型の女王蜂生産は対象外とします。(例:群を分割して放置する等・・・詳しくは女王蜂の殖やし方を参照して下さい。)

基本的な作業は、「王台作り→無王群投入→新女王蜂が産まれる→交尾に成功して卵を産む」となります。

女王蜂の生産方法

王台切り取り方法

群に作られた自然王台や変性王台をカッターで切りぬきます。

王台切り取り方法

切り取った王台を無王群に与えて女王蜂を作ります。

専門の道具要らずで簡単・費用も掛らず出来る方法です。

移虫と人工王台を使う方法

巣房から幼虫を取り出して人工王台に移します。あとは人工王台を下向きになるように無王群に与えれば王台を作ります。作られた王台を無王群に与えます。

言葉だと長くなるので動画を見た方が理解が早いです。こちらをご覧ください。

幼虫を取り出すのにテクニックが必要ですが、専用の道具類は安いので費用を抑えられます。

移虫と人工王台を使う方法

色々な幼虫を移す棒?(移虫針と言うらしい)が売られています。買うなら最新の物を買いましょう。画像は在庫用に買った移虫針です。

沖縄県では年に一回?、この女王蜂生産の講習会をしているようです。

効率的に大量生産する方法

専用の女王蜂生産キットを使えば、一番面倒な移虫作業を省くことができます。画像の製品が海外ではよく使われています。(色々な動画を見る限り)

このキットはアマゾン(USA)に売っていますが、日本の養蜂道具通販サイトでは見かけた事がありません。(似たような道具ならあります。)

効率的に大量生産する方法

売れるかどうかわかりませんが・・・1つ在庫用に購入してみました。

今の所、自分が使う予定はありません。

交尾済み女王蜂の生産はオス蜂が多い時期しかできません。(春が最適) 西洋ミツバチを飼育している初心者の方はぜひ試して下さい。面白いですよ。

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