ここでは、西洋ミツバチの分蜂と逃避の防止策を説明します。
なぜ分蜂するのか?
ミツバチは群を増やす為に分蜂します。ミツバチの調子が良く、群が大きくなるにつれ分蜂する確率が高まります。 分蜂は、群の約半分の働き蜂と女王蜂1匹で行われます。 |
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分蜂防止策①:王台を潰す
群が大きくなり貯蜜が溜まってくると、分蜂する為に新しい女王蜂(王台)を複数作り始めます。 この作られた王台を全て除去しつづければ群は分蜂できません。 |
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分蜂防止策②:女王蜂の羽を切る
女王蜂の羽を切ると、分蜂が起こっても女王蜂が飛べないので分蜂群が地面に留まり回収が楽になります。 女王蜂が行方不明になると、分蜂群は元の巣箱に戻ります。 |
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分蜂防止策③:巣門に隔王板を取り付ける
巣門に小さな隔王板(専用の道具があります)を取り付け、巣箱から女王蜂を出れなくします。 分蜂には、女王蜂の参加が必須なので、女王蜂が巣箱から出れないと、分蜂もできなくなります。 しかし、小さい女王蜂は隔王板の隙間を抜ける事があるので、過信は禁物です。 巣門に隔王板を取り付けるとオス蜂も巣箱から出れなくなるので、オス蜂が多い群には向ていない方法です。 |
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分蜂防止策④:無理やり分蜂を止める
分蜂行動を早期に発見出来れば、無理やり分蜂を止めれます。 分蜂の原因は羽化寸前の王台なので、女王蜂が群から飛び立つ前に、王台を全て除去すれば分蜂は中止になります。 |
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分蜂防止策④:実践写真
分蜂直後の群を見つけたので、迅速に王台の除去に取り掛かりました。 ゆっくり内部検査していると女王蜂が飛び立ってしまうため、とりあえず王台がありそうな巣脾枠(特に蜂児枠)は全て巣箱から出し「群に王台が無い状態」にしました。 巣脾枠は巣箱から出す前に強く上下に揺すり、働き蜂を巣箱内に出来る限り落としています。 |
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分蜂防止策④:実践写真
巣箱外に置いた巣脾枠を念入りにチェックし王台を全て除去し巣箱に戻しました。 王台が無くなったので分蜂が中止になり、働き蜂達は巣箱へ戻りました。 |
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分蜂群の処理:
もし、分蜂してしまったら分蜂群の女王蜂を捕獲しましょう。 蜂球から女王蜂を取り除けば分蜂群は徐々に元の巣箱に戻ります。(30分で9割は戻ります。) 捕獲した女王蜂は他群に与えるか、元群に戻す場合は新女王蜂や王台を全て除去してから戻しましょう。そうでなければ、また分蜂する可能性が高いです。 |
分蜂防止のまとめ: 群が大きくなってきたら、一週間に一回は内部検査し王台が作られてないか徹底的に調べ、もし王台があれば全て除去し分蜂を防ぎましょう。 強群の分蜂熱の下げ方はデマリーメッソドを参考にして下さい。
なぜ逃避するのか?
逃避は巣箱が置かれている環境や外敵が原因で起こります。分蜂と違い予兆が解りずらく突発的に起こる事があります。 逃避は、群の全ミツバチと現女王蜂1匹で行われます。 卵・幼虫・蛹・飛べない若い蜂は見捨てられます。 |
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逃避の防止
逃避は、ミツバチが「もうこの場所では群の存続が出来ない。」と激しく感じた時に起こるので、そう思わせない事が逃避予防になります。 逃避の唯一の予兆は、女王蜂のお腹が小さくなる事です。(空を飛べるようになる) 逃避防止は、巣箱をミツバチにとって快適に保ち、外敵の侵入・攻撃が酷い場合は、それらを防ぐ対策を行うことで逃避する確率を下げることが出来ます。 |
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逃避群の対処
ミツバチは逃避後、分蜂群と同じように蜂球を作ります。 逃避は弱群で起こりやすいので蜂球が小さい事が多いです。 蜂球内の女王蜂を捕獲できれば、逃避は中止になりミツバチ達は元の巣箱に戻っていきます。 |
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注意点: たとえ蜂球内の女王蜂を捕獲して逃避を中止させても、元の劣悪な環境が変わらない限り逃避行動は止まりません。
すぐに逃避対策が出来ない場合は、女王蜂を王籠に閉じ込めてから元群に戻しましょう。 これでミツバチは逃避ができなくなります。(女王蜂が逃避出来ない為) 「逃避する=ミツバチに酷な環境」なので、出来る限り早く巣箱の環境改善・外敵対策をして下さい。 |
分蜂・逃避の起こりやすさは種により変わります。 一般的なイタリアン西洋ミツバチは、分蜂しずらく逃避しにくいと感じます。(逃避せずに、そのまま全滅します。) カーニオラン種は分蜂・逃避しやすいと感じます。