ここでは所有群数(1~3群)は少ないけど、効率的に増群したいという人向けに説明します。 効率に特化して説明していますので、趣味の養蜂としての面白みは無いかもしれません。

まず、一般的な増群の方法を簡単におさらいしましょう。

  1. 働き蜂を増やし中群~強群まで群を大きくします。
  2. 大きくした群を分割します。 分割群は最低でも2枚群にはした方が良いです。1枚群だと環境適応能力が低く全滅しやすいです。
  3. 女王蜂が居ない分割群は、変成王台を作り14~16日後に未交尾女王蜂が産まれます。
  4. 産まれた女王蜂は5~10日後に交尾飛行に出かけます。
  5. 交尾に成功した女王蜂は、2~4日後から産卵を始めます。
  6. これで増群成功となります。

基本的に、上記の流れになります。(群分割から女王蜂が産卵できるようになるまで約30日掛ります。) 産まれた女王蜂が交尾飛行に失敗すれば無王群になり、人間が処置しないと働き蜂産卵が始まり群が消滅します。

増群の効率には雄蜂の数も影響します。 所有群数が少ない場合、雄蜂数も少ないので交尾飛行の成功率は低くなります。 (交尾成功率が30%もあれば上出来でしょう。) この様に1~3群飼いで増群しようと思っても中々上手く行きません。 例外として、近くに大群を飼育している養蜂家がいれば交尾成功率は非常に高くなります。

結論から先に書きますが、少数群飼いの方が効率的に増群をしたい場合は交尾済み女王蜂を買いましょう。

群分割→新女王蜂羽化→交尾飛行→産卵するまで30日待つ位なら、5000~8000円出して交尾済み女王蜂を買った方が効率が良いです。 導入した女王蜂はすぐ卵を産みだすので分割群の衰えも少なく、交尾飛行に失敗するリスクも無いので良いこと尽くめです。

私の経験則ですが、雄蜂の数やミツバチを食べる飛行生物の数にもよりますが10群(雄蜂大量の強群有り)を一ヶ所で飼うと交尾成功率は7~8割になります。 大群を飼っていると交尾成功率の高さも強みですが、新女王蜂が交尾飛行に失敗し無王群になっても、他群から卵付きの巣脾枠を持ってきて無王群に与えたり、他群から自然王台を切り取り無王群に渡す等の選択肢が多いので、増群や無王群処置に苦労する事は少なくなります。

西洋ミツバチは・・・「沢山飼えば増群は楽だが管理は面倒」、「少しだけ飼えば増群は難しいが管理は楽」という事になっています。

上記の理由で1~3群を飼育している方が、手っ取り早く確実に群を倍にしたいという場合は、交尾済み女王の購入しか選択肢が無いのです。 私も飼育群数が少ない養蜂開始初期の頃は、交尾済み女王蜂を購入して群を増やしました。

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