ダンボール巣箱は、主にハウス内の交配用ミツバチの巣箱として使われたり、種蜂を出荷する時に使います。木製巣箱と違い耐久性が低いので野外飼育には使えません。
段ボール巣箱のメリットは、①安い ②簡単に作れる ③軽い ④組立て前なら嵩張らない等です。デメリットは、①木箱の方が巣枠固定が容易 ②木箱と比べると脆い ③水に弱い等です。 一応、段ボール巣箱の表面は撥水加工されていますが、水を大量に浴びせると段ボールの切れ目から水が内部に浸入しフニャフニャに成ります(少しの水なら問題無し)。
浦添養蜂園の段ボール部品は、ハチ箱用1枚と中枠用4枚で構成されています。
多少仕様は違いますが、6枚用段ボール巣箱も基本的な組み立て方は同じです。 |
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段ボール巣箱を完成させるには、段ボール部品以外にも写真の資材が必要です。
布ガムテープと換気口用の網は必須です。巣門に取り付けるキャップは、ガムテープで代用できるので必須ではありません。 |
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仕切り用の段ボールもあります。これは巣礎枠の代用品になります。 | |
仕切り用段ボールは折り曲げるだけ作れるので説明を省きます。 | |
①:中枠の組み立て(スタート)
中枠を丸めるようにして四角にします。穴の部分に突起部分をはめ込みます。 |
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①:中枠の組み立て
写真の様に組立てたら、ガムテープで段ボールが重なっている部分をシールします。ホッチキスで固定する事もできます。 |
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①:中枠の組み立て(完成)
最後に組立てた中枠の飛び出ている段ボール部分を内部に押し込みます(写真参照)。 蜜枠等の重い巣枠を設置する場合は、中枠内に緩衝材(プチプチ等)を詰めて下さい。 |
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補足:中枠の組み立て(補強)
蜜枠等の重い巣枠を設置する場合は、中枠内に緩衝材(プチプチ等)を詰めると補強できます。 |
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②:ハチ箱の組み立て(スタート)
ハチ箱を広げ、段ボールの繋ぎ目(青の四角)から順番に折り畳みます。 ここは巣箱の底になります。 |
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②:ハチ箱の組み立て
ハチ箱の底を折り畳んだら、一部をテープします。 |
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②:ハチ箱の組み立て(完成)
ハチ箱の底を全てテープします(写真参照)。隙間があると蜂が漏れる事があるのでしっかりテープして下さい。 |
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③:換気窓に網の貼り付け(スタート)
ハチ箱には大きな換気窓が2か所、中くらいの換気窓が1か所あります。 3~4枚群を出荷する時は、全ての換気窓に網を貼り通気性を良くします。 1~2枚群なら大きな換気窓1か所に網をします。 巣箱の換気性は、出荷時の気温・群の大きさ・チルド輸送の有無で決めて下さい。 |
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③:換気窓に網の貼り付け
大きな換気窓には、ダイソーで購入できる20cm×30cmの網が加工せずに使えます。 まず、換気窓部分に網を置きます。 |
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③:換気窓に網の貼り付け
網の四隅をテープします。 隙間があるとミツバチが逃げるので、しっかりテープして下さい。 |
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③:換気窓に網の貼り付け(完成)
換気窓は外から開けます。 |
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④:不用な換気窓の処理(スタート)
使わない換気窓にはテープをします。 |
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④:不用な換気窓の処理(完了)
窓が開かないようにしっかりテープして下さい。 |
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⑤:巣門に封をする(スタート)
巣箱横の穴が巣門になります。 |
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⑤:巣門に封をする(完了)
キャップを嵌めます。 キャップを使わない場合はガムテープで塞いでください。 |
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⑥:巣箱上部の穴(スタート)
巣箱上部の穴は、換気口として利用したり給餌穴として使います。 |
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⑥:巣箱上部の穴(完了)
換気口として使う場合は、網を貼ってください。 給餌穴として使う場合はキャップをして下さい。 キャップに3mmの穴を開ければ、換気口兼給餌穴として使え便利です。 |
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⑦:ハチ箱への中枠の設置
ハチ箱底の隅に中枠を2個設置します。 段ボール継目部分に中枠の長い部分を合わせて設置して下さい(写真参照)。 |
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⑧:ハチ箱へ巣枠の設置
巣枠をハチ箱の端から設置します。巣枠は合計4枚まで設置できます。 巣枠の底を中枠の穴に嵌めるように設置して下さい。 |
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⑨:巣枠上部へ中枠の設置
巣枠上部に中枠を2個設置します(写真の位置に)。 巣枠上部にプロポリスや無駄巣が付いていると、中枠が上手く嵌らない事があります。 その場合は、ハイブツールで巣枠上部のゴミを軽く削ってください。 |
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対応する巣枠について:
この段ボール巣箱は、ホ式とラ式巣枠の両方に対応しています。 写真の巣枠は、三角コマを付けたラ式巣枠です。 |
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⑩:巣枠上部へ給餌トレイの設置
巣枠の上部には、浅いトレイを置けるスペースがあるので、そこに給餌トレイを設置する事が可能です。 給餌トレイはガムテープで中枠へ固定して下さい(写真参照)。 |
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給餌穴の利用について:
巣枠上部に給餌トレイを置くと、巣箱上部の給餌穴から給餌ができるようになります。 写真の様に500mlペットボトルを給餌穴にセットする事も可能です。この方法では、給餌トレイ内の砂糖水が減ると、自動的にペットボトルから砂糖水が給餌トレイに補給されます(花粉交配群に使えます)。 給餌穴が砂糖水に濡れると一部がフニャフニャになりますが、乾燥するとまた固くなります。 |
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⑪:ハチ箱を閉める
写真の様にハチ箱を閉めて下さい。ハチ箱を閉める際にミツバチを極力潰さないようにして下さい。 テープはしっかり行って下さい。 隙間があるとミツバチが漏れる事があります。 テープ貼りのコツはこちらのページを参照して下さい。 |
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⑫:換気窓を調整する
換気窓の大きさはいつでも変更する事が可能です。ハチの状況をみて変更して下さい。 換気窓の段ボールは、折り畳んでガムテープで留めて下さい(写真参照)。 これで出荷準備は完了です。 |
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⑬:巣箱を郵送する場合は巣箱に網をする
ゆうパックで巣箱を出荷する場合は、巣箱を網で包んで下さい。網をしてないと輸送を断られます。 巣箱を包む網は、ミツバチが逃げ出さない物であれば大丈夫です。 私はダイソーの不繊布の袋を使っています。 不繊布は通気性が悪いので、ミツバチをチルド輸送する際に適しています。 |
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⑭:巣箱を網で包む
写真の袋は巣箱の寸法ギリギリなので、巣箱を入れるのに少しコツが要ります(もっと大きな袋もあります)。 まず、袋を床に置き巣箱下部を少しだけ袋の中に入れます。 |
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⑮:巣箱を網で包む
写真の様に、片方側から巣箱を袋に入れていきます。 無理やり袋に入れると、袋が破れるので気を付けて下さい。 |
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⑯:巣箱を網で包む
巣箱が袋に入ったらジッパーを使い袋を閉めます。 |
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⑰:巣箱にPPバンドをする
巣箱の二か所にPPバンドをします。PPバンドが2か所にあると楽に巣箱を持てます。 これは巣箱を輸送してくれる配達員さんへの配慮になります。巣箱は持ちやすい方が良いですから。 |
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⑱:巣箱上部の中心にガムテープを貼る
不繊布には送り状や注意シールが貼りずらいので、接着力の強いガムテープを下地として貼ります。 これは郵便局の受付員さんへの配慮になります。 ガムテープが無くても何とかしてくれますが、送り状の貼り場所が分からず、受付に時間が掛かる時があります。 |
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⑲:巣箱に送り状と注意シールを貼る
巣箱の受付短縮の為に、送り状と注意シールは全て巣箱に貼ってから郵便局に持っていた方が良いです。 ゆうパックの送り状と注意シールは、郵便局員に頼めば大量に入手できます。 |
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網についての補足情報:
4枚巣箱ならダイソーの洗濯ネットが出荷網として使えます。 洗濯ネットは、強度が高いので蜂漏れ対策として優秀です。 洗濯ネットを利用した巣箱梱包に関しては、こちらのページを参考にして下さい。 |
この巣箱はシンプルなので、一度組立てれば2度目からはサクサク組立てられると思います。
チルド輸送にも対応していますので、蒸殺が心配な場合はチルド輸送することを推奨します。 私は3枚群以上はチルドで輸送しています。
段ボール巣箱と資材(網・キャップ等)の購入先は、巣箱等の販売ページに記載しています。