養蜂に限らず生物飼育には基礎となる知識や技術があります。 基礎を疎かにしているとミツバチを全滅させる事が多くなるばかりか全滅した理由さえ解らない養蜂初心者状態が長く続きます。全滅した理由が解らないので、また同じ過ちを繰り返す事になります。
ミツバチを無駄死にさせない為にも、まずは養蜂の基礎的な知識+技術の習得を目指して下さい。 ただし、生物は機械と違い完全にコントロールする事が難しく基礎に忠実に作業をしても・・・ミツバチの状態・周囲環境・その他の影響で作業が失敗に終わる時もあります。 経験を積むとそれらの状態も考慮できるようになり、失敗が少なくなります。
群の増勢や維持・分割・合同・移動・女王蜂導入等・・・その他色々な養蜂の基礎技術がありますが、これらの作業を潤滑に進めるには内部検査で群の状態を正確に把握する必要があります。 群の状態を把握するには基礎知識が必要になります。 養蜂作業は、「内部検査(知識) → 群の状態を判断 → 群の処置(技術)」という流れになります。
ミツバチは自分の子孫を多く残すという目的の為に活発に働いています。 ミツバチが順調に増えれば最終的には必ず分蜂します。 自分の子孫(群)を増やせる分蜂こそがミツバチ達の最終目的なのです。
ミツバチ群を放置した場合、餓死・凍死・天敵等に殺されてしまう可能性が高くなります。 運よく・・・これらの問題が起きずに順調に群が育っても、最終的にはミツバチ達の最終目的である分蜂が起こり交尾済み女王蜂と働き蜂の約半分を失う事になります。
その後、巣箱に残った未交尾女王蜂が運よく交尾に成功すれば立派な一群になります。 しかし、こんな運否天賦な飼育を養蜂とは言いません。
養蜂教本や養蜂サイトで養蜂の基礎(知識+技術)を習得しミツバチ群を管理した場合です。 しっかり管理すれば全滅のリスクを大きく減らせます。
ミツバチ達の「自分達の群を増やす」という最終目的も、強群を2分割(人工分蜂)してしまえば分蜂した事になりミツバチは満足します。 人工分蜂は、飼育者が分蜂させる時期を選択できる・分蜂群を失わないという大きなメリットがあります。
上記の例のように、群を放置した場合と管理した場合では結果に雲泥の差が出ます。 養蜂の歴史はとても長く、さまざまな養蜂家が試行錯誤した結果が現代養蜂です。 先人の残した英知を無駄にしないためにも、初心者は運に頼らずに養蜂の基礎をしっかり学びましょう。