気温は植物の開花と密接に関わり合っており、西洋ミツバチも食糧が沢山採れる開花期(主に春と秋)に、巣を作り増勢を高めたり・オス蜂を作ったり・分蜂したりします。
気温はミツバチの育児にも大きく影響します。育児をするには有児枠を34~35度に維持する必要があり、外気温が低い季節は大量のエネルギーを使って巣箱内の温度を維持しようとします。 逆に、外気温が高い季節は保温する必要が減り、少ない働き蜂数でも育児が可能になります。
秋に群を分割し弱群化してしまうと、弱群のまま冬に突入する事になり保温力が足りず凍死する可能性があります。増群を狙っている方は、気温を考慮して群の分割をする必要があります。(群の分割は春が最適です。)
西洋ミツバチの適温は18~25度位です。寒過ぎると巣箱から出てきませんし、暑過ぎると巣箱から大量に出てきて外で休んだりします。(気温が12度以下では越冬行動を起こします。) 植物も寒過ぎたり暑過ぎたりすると、光合成が上手くできず萎縮してしまいます。
風や直射日光も、気温に大きく影響を及ぼします。天気予報で「今日の気温は30度です。」と放送されていても、実際に巣箱が置かれている環境に応じて気温が変化しています。
風は空気を動かし温度の均一化・水分の蒸発を促進してくれます。風は気温に大きく影響しており、風通しが悪い場所では想像以上に温度が高くなり、風が強い場所では温度が低くなります。
夏は、風通りが悪く直射日光が当たる場所だと、巣箱や地面がとても暑くなる可能性があり注意が必要です。
逆に冬は、冷たい風が巣箱から急激に温度を奪うので、風通しが良い場所は注意が必要になります。
気温が低い時 北風の影響が大きいので、風当たりが悪い場所が良いです。 巣門を小さくして、巣箱の余計な隙間はテープで塞ぎ、必要であれば巣箱内部も防寒対策をしましょう。 寒い時期は、巣箱内の暖かい空気を逃がさないように、巣箱の隙間を減らし外部の冷たい空気を巣箱内部に入れない事が大切です。 保温活動はエネルギー(ハチミツ)を多く消費するので、餌切れに注意が必要です。弱群は保温力が弱いので凍死する可能性が高いです。 |
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適温の時 植物・ミツバチに都合の良い温度の時は、ミツバチが活性化し無駄巣や分蜂に気を付ける必要があります。 巣を作らせたり、群を増やすのに適した時期です。 |
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気温が高い時 風通しが悪い場所や地面がアスファルトの場所は、想像以上に温度が上がります。巣箱に遮光板を乗せたり、隙間を多くしたりして暑さ対策をします。 気温が高い時期は、多くの植物が花を付けないので餌切れに注意が必要です。ミツバチは換気をしたり、水を蒸発させたりして巣箱内部の温度を下げます。 巣箱内部が暑くなり過ぎると、働き蜂が大量に外に出てきたり、女王蜂の産卵が鈍ったり停止したりします。 |
暑い時期に、ミツバチを巣箱に閉じ込めると換気や蒸発熱の利用が出来なくなり、巣箱内が高温になってしまいます。暑い時期にミツバチを巣箱に閉じ込める時は、通気性が良い巣箱を使用したり、巣箱に大きめの遮光板を乗せたり、風通しが良い日陰に置く等などの暑さ対策をして下さい。
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