ここでは、西洋蜜蜂(セイヨウミツバチ)の主要な生態を画像付きで紹介しています。
ミツバチの性と寿命 左から働き蜂(メス)、雄蜂(オス)、女王蜂(メス)となります。 ミツバチの寿命は季節により大きく変動しますが、働き蜂とオス蜂の寿命は平均して60日位、女王蜂は2年位です。 |
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ミツバチの成長 ミツバチは、卵→幼虫→蛹→成虫という流れで成長していきます。 ミツバチの卵~成虫までの動画がYoutubeにありました。面白いので一度見る事をお勧めします。蛹の周りをウロウロしているのは、西洋ミツバチの天敵であるミツバチヘギイタダニです。 |
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ミツバチ成長の差 女王蜂が一番早く成体になれます。 一番遅いのが雄蜂です。 女王蜂・雄蜂も産まれて直ぐに交尾はできず、性的に成熟するまで時間が掛ります。 |
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女王蜂の個性 産まれたばかりの女王蜂です。 色が黒かったり体の大きさが微妙に違います。 群の性質は卵を産む女王蜂で決まります。 |
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働き蜂と女王蜂の主な役目 働き蜂: 育児 ・ 群の維持活動 ・ 食料確保 女王蜂が長期間不在になると、働き蜂も産卵できるようになりますが、生まれてくる子供は全てオス蜂です。 女王蜂はオスとメスの産み分けができます。(メス=有精卵、オス=無性卵) |
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女王蜂の交尾 女王蜂は、羽化後一週間ほど経つと交尾飛行に出かけ、空中でオス蜂数十匹と交尾した後に巣に戻ります。 交尾して巣に戻った直後の女王蜂です。お尻の先にはまだオス蜂の生殖器の一部が残っていますが、すぐに働き蜂に取り除かれます。(交尾標識) |
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交尾した女王蜂 女王蜂は1群に1匹いる重要な存在です。女王蜂は、1日に1000個以上の卵を産む能力がありすが働き蜂によって産卵数を制御されています。 |
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産卵中の女王蜂 巣房に産卵中の女王蜂です。写真のミツバチは、女王蜂・働き蜂共に黒い色をしたカーニオラン種という西洋ミツバチです。 よく見かける黄色い西洋ミツバチはイタリアン種と言います。 |
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オス蜂の役目 オス蜂は唯一女王蜂と交尾する事ができます。働き蜂と違い、群の維持をしたり食糧を集めに行ったりはしません。 オス蜂は、午後になると巣箱から出てきて交尾飛行に出かけます。オス蜂は女王蜂と交尾をすると死んでしまう為、交尾しないほうが長生きできます。 オス蜂は交尾以外では全く役に立たないので、群の貯蜜が少なくなってくると巣から強制的に追い出されてしまいます。 |
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ミツバチの卵 女王蜂は巣房の真ん中に1つずつ卵を産み付けていきます。 産みたての卵は直立していますが、3日程経つと巣房の底に横たわってきます。 |
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働き蜂の産卵 働き蜂産卵が始まると、写真の様に1つの巣房に複数の卵が産みつけられる状況になります。(複数の働き蜂が産卵する為) 交尾をしてない働き蜂の無性卵からはオス蜂しか生まれてこない為、最終的に群はオス蜂だらけになり消滅します。 |
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ミツバチの幼虫と蛹 卵から孵化した幼虫は、若い働き蜂(内勤蜂)によって育てられます。 幼虫が大きくなると巣房に蓋がされ蛹になります。 |
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働き蜂の巣房 働き蜂の巣房は、一番小さく巣房のフタは平面です。 写真中央部の空巣房に働き蜂が入り込んで発熱し35度に幼虫や蛹を保温します。 |
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オス蜂の巣房 オス蜂の巣房は、働き蜂の巣房より少し大きくフタが飛び出しているのが特徴です。 |
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女王蜂の巣房(王台) 女王蜂はピーナツの様な専用巣房(王台)で幼虫期にロイアルゼリーを沢山与えられ育てられます。 幼虫(メス)が働き蜂になるか女王蜂になるかは、与えられた餌で決まります。 王台は、巣の一番下や隅に造られる事が多いです。 |
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女王蜂の悲劇 王台から羽化した女王蜂が最初にする仕事は、他の女王蜂の排除(王台の破壊や殺し合い)です。写真は王台を破壊している産まれたばかりの女王蜂です。 母親の女王蜂は、娘達が産まれる前に分蜂して巣を離れます。 |
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女王蜂の共存 基本的に女王蜂は1群に1匹ですが、稀に母と娘の女王蜂が1群に共存する事があります(特定の条件が必要)。 |
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分蜂 ミツバチは群が十分に大きくなると、王台(新女王蜂)を複数作った後に、現女王蜂とお伴のミツバチ(群の約半数)を連れて巣離れします。 分蜂したミツバチは、新たな場所で一から巣を作り生活します。 写真提供者:愛媛県の山内様 |
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蜂球 巣箱から分蜂したミツバチ達は、まず巣箱の近くに一時的に集まります。(蜂球) 新しい住処が決まるまでは、このままの状態で数時間~数日待機します。 |
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ミツバチの食糧 ミツバチの食糧は花蜜と花粉です。写真の様に巣房に溜めこまれます。 |
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ミツバチの食糧2 花粉が溜め込まれた巣房の断面図です。 |
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全ては群の為に ミツバチは集団で生活する社会性昆虫ですが、人間社会と違い福祉制度はありません。 働けなくなったミツバチは巣から強制的に追い出されます。 |
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全ては群の為に② 衰えれば女王蜂でさえも容赦なく追放されます。女王蜂を追い出したこの群はその後、新しい女王蜂を作り始めました。 「働けない蜂は即追放」という無慈悲な生き物ですが、「働かない蜂」も多く群に存在しています。 |
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ミツバチの巣造り 巣造りは働き蜂が集結して行なわれます。働き蜂は蜜ロウを腹の内側から分泌し巣の材料にします。 蜜ロウを体内で合成するにはエネルギー(ハチミツ)が沢山必要です。そういう理由で、花蜜が沢山採れる時期に巣作りは活発になります。 |
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ミツバチの巣造り② 一般的な西洋ミツバチの養蜂では、画像の様な巣の基になるシートを使い、ミツバチが素早く巣を造れるように工夫されています。 |
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ハニカム構造 ハニカムとは英語で蜂の巣という意味です。ハニカム構造は空間の無駄が無い+耐久性があるので人間の世界でも色々な所で応用されています。 |
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プロポリス プロポリスとは、植物が分泌する抗菌物質をミツバチが集めて加工したガムの様な物質です。 巣箱内の隙間を埋めるように配置されている事が多いです。 |
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換気蜂 ・ 門番蜂 ある程度歳をとったミツバチは、育児作業を卒業します。 次の仕事は、巣箱の入口に待機し換気や外敵の侵入を防ぐ仕事に就きます。 |
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外勤蜂 よく見かける花蜜や花粉を集めているミツバチは外勤蜂です。 訪花作業は外敵に襲われる危険もあるので、一番年寄りの働き蜂が餌集めを担当しています。 外勤蜂は、巣箱から10kmも離れた場所に花蜜を吸いに行く事もあります。 |
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ハチの鎖 ミツバチ達はお互いにつかまりあい鎖の様になれます。 |
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ミツバチの分泌物(フェロモン等) ミツバチは色々な場所(口・足先・腹・尻)から各種の分泌物を出せます。人間が見て一番解りやすい場所はミツバチのお尻の先です。 写真のようにお尻を高く上げフェロモンを空気中に放出し仲間に情報を伝達します。 |
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ハチミツ 春や秋の花が多い季節にはハチミツが溜まります。 ミツバチは、巣の中で蜂蜜や花粉を貯蔵する場所を決めており規則正しく貯蔵していきます。 |
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ハチミツ② ハチミツが満杯まで貯められた巣房は、画像のようにフタをされて貯蓄されます。 |
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ハチミツ③ ハチミツが大量に貯められた巣枠(貯蜜枠と言う)です。 重さは3kgにもなります。 |
ミツバチの本は一般の書店にはマイナー過ぎて置いていない事が多いですが、アマゾン(インターネット通販)ではミツバチの本や養蜂専門書 を豊富に扱っています。