ミツバチは群が大きくなるとオス蜂巣房を自然に作り始めます。 オス蜂巣房には無精卵(オス蜂に成る)が産み付けられオス蜂の生産が始まります。 春と秋は特にオス蜂生産が盛んで、群のオス蜂数が急激に増加します。
オス蜂が多いと女王蜂の交尾成功率が高くなるので、増群を狙っている方はオス蜂数を多めに維持する必要があります。
オス蜂は訪花活動を一切しないので、ハチミツ目的で養蜂をしている人には無駄飯食いとして嫌がられ駆除されてしまう事があります。
オス蜂巣房と働き蜂巣房との比較です。オス蜂の巣房は写真の赤印で示している様にフタが膨らんでいて働き蜂巣房と比べると少し大きいです。
オス蜂は中群~強群が沢山作りますが、弱群はほとんどオス蜂を作りません。 |
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体が大きなオス蜂の生産には、多くの食糧と時間が掛ります。 オス蜂は、卵から交尾飛行できる成虫に至るまで約38日も掛ります。
しかも、交尾が出来る成熟したオス蜂に成れるのはその内の半数です。 女王蜂は、卵から交尾飛行できる成虫に至るまで約23日しか掛からず、オス蜂と比べると格段に早いです。 |
造巣が盛んな春や秋にミツバチに自由に造巣させると、連なった綺麗なオス蜂巣房を作ってくれます。群にオス蜂巣房を綺麗に作らせたい場合は、全面巣礎シートの巣礎枠を与えるより、半分または三分の一に巣礎シートを切った巣礎枠(半巣礎枠)を群に与えると良いでしょう。
上の写真は、半巣礎枠です。 巣礎シートが無い部分はミツバチが自由に造巣できます。
上の写真は、造巣が進んだ半巣礎枠です。連なった綺麗なオス蜂巣房が確認できます。
ミツバチは群が大きく成れば、人間が望んでいなくてもオス蜂を大量に生産します。
働き蜂産卵群はオス蜂しか作れないという性質を利用し、群を意図的に働き蜂産卵群にし雄蜂を大量に作らせる方法があります。 この方法なら、通常ならオス蜂を殆ど作らない弱群にもオス蜂をそこそこ作らせることが出来ます。
この方法のデメリットは、働き蜂巣房がオス蜂巣房に作り替えられるため、巣脾枠がデコボコになり見た目が非常に汚くなります。 また、働き蜂産卵群をそのままにしていると、働き蜂が生まれず群が消滅します。
働き蜂産卵を早く起こさせるには、群に女王蜂+卵+幼虫が居ない事が重要です。 群にこれらが存在しなければ、かなり早く働き蜂産卵を発生させることが出来ます。
オス蜂が沢山作られても油断してはいけません。群が食糧不足になると、オス蜂は巣から強制的に追い出され数が急減します。交尾の為にオス蜂の数を維持したい場合は、群の貯蜜量に注意して下さい(継続的な給餌推奨)。
上の写真は、働き蜂に強制的に巣から追い出されるオス蜂です。
上の写真は、巣の中に入れてもらえないオス蜂達の様子です。
上の写真は、巣から追い出されたオス蜂たちの最後です。