2016年9月04日、沖縄は晴れです。今年の8月は一度も台風が沖縄本島に直撃しませんでした。
ミツバチの近親交配の影響について有益な情報がありました。とても重要な事だと感じたので、簡潔に説明したいと思います(超単純化した図解にしています。さらに詳しく知りたい方は情報元の本を参照してください)。
情報元:Mating biology of honey bee,(Apis mellifera) この本は10カ月ほど前に買い、少し読んで放置してましたが、また読み始めました。 ミツバチの性・交尾についての本ですが、情報量が多く勉強になります。
結論から先に書きますと、近親交配を重ねると奇形が生まれる確率が高くなります。その結果、育児効率が悪くなり群の状態も悪くなる。
①近親交配が無い場合
近親交配が無い場合、親女王蜂1匹(2倍体)と親オス蜂1匹(1倍体)から、子供オス蜂2種類(1倍体)・子供メス蜂2種類(2倍体)が生まれます。 *通常、親オス蜂は数匹~数十匹になりますが、ここでは解りやすいように1匹としています。 *減数分裂時の染色体乗換等の影響は無視しています。 |
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①近親交配が無い蛹圏(メス)の様子
蛹圏は一部保温用の穴を残し、蛹巣房が綺麗に並びます。 |
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②近親交配の場合
近親交配が進み、親である女王蜂とオス蜂の染色体(ここでは染色体B)が被ると、本来メス蜂になるはずの有精卵が2倍体のオス蜂になってしまいます。 2倍体のオスは奇形であるため、働き蜂に見つかり次第除去されます(通常は卵の段階で除去)。 |
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②近親交配率が高い蛹圏(メス)の様子
女王蜂産卵後、近親率が高すぎる有精卵(2倍体のオス)が除去されます。その結果、蛹圏で空巣房(幼虫が育たなかった巣房)が目立つようになります。 |
一般的に売られている女王蜂には「優良血統」など・・・色々記載されていますが、この情報を基にすれば、血統管理されていない女王蜂の方が近親オス蜂の精子を持っている確率が低く、奇形が生まれにくい良い女王蜂と考える事もできます。 *あくまで私個人の考えです。血統維持を否定している訳ではありませんのであしからず。
*補足1:優良血統→血統維持が不可欠→近親交配になる。
*補足2:ミツバチの血統を維持するには、周りに養蜂家が一人も居ない環境が必要です。