2016年7月05日、沖縄はかなり暑いです。
チョーク病(蛹のミイラ化)と温度・湿度の関係の文献がありましたので超簡潔に内容を書きます。
実験①: 5日目の幼虫を18度に24時間曝した後に、25度・30度・35度で保温した場合。
・25度保温: ミイラ化96%、健康体1.6%、死亡2.4%
・30度保温: ミイラ化44%、健康体54%、死亡1.6%
・35度保温: ミイラ化24%、健康体73%、死亡2.2%
実験②: 幼虫を25度・30度・35度で保温した場合。
・25度保温: ミイラ化81%、健康体18%、死亡1%
・30度保温: ミイラ化14%、健康体85%、死亡1%
・35度保温: ミイラ化2.4%、健康体95%、死亡2.6% (通常の保温状態)
温度とチョーク病の関係を要約すると、「幼虫時に保温不足になるとチョーク病が大量発生する」という事です。面白事に、35度保温でも2.4%はミイラ化・死亡は2.6%です。 この実験データを基にすると、通常の保温条件下(35度)での働き蜂羽化率は95%位です。(100匹の蛹があれば5匹は羽化せず死亡)。
湿度68%のミイラ率1%、湿度87%のミイラ率6%。
湿度とチョーク病の関係を要約すると、「湿度が高いとチョーク病になりやすくなる」という事です。ただし、湿度は温度よりチョーク病を発生させる割合が低いので、チョーク病の主な原因は保温不足と考えた方がよさそうです。
購入した種蜂がチョーク病になっている場合は、幼虫の数に対して働き蜂が少ないことが原因と思われます(保温不足)。 または、急に寒くなった時にも一時的に幼虫の保温がうまく行かずチョーク病が大量発生しやすくなるでしょう。
参考文献:Effect of temperature and humidity of sealed brood on chalkbrood development under controlled conditions.
補足情報:群が栄養不足(主に花粉)になると、チョーク病やフソ病に掛かりやすくなるそうです。 その為、チョーク病予防として代用花粉を常に与えるのも良さそうです。
参考文献:Nutrition of Honey Bees.