2015年11月13日、沖縄は曇りです。 今回はコガタスズメバチ捕獲器+対策をまとめました。また、ここで紹介する捕獲器は、オオスズメバチに対応してないのでご注意下さい。
コガタスズメバチは、ミツバチ群を全滅させるような被害が少ない為、あまり対策されていないようです。 また、コガタスズメバチは狩りの習性がオオスズメバチとは違うので、それに対応した捕獲器が必要になります。
最終的に小型スズメバチ捕獲器はこのような形になりました。
赤い矢印部分から、ミツバチや小型スズメバチが出入りします。詳しくは後で説明しますが、小型スズメバチがミツバチを捕まえた時にトラップに引っかかりやすくなる仕組みになっています。 |
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こんなに捕れます。
捕獲籠部分は、入ったスズメバチが逃げにくい仕組みにしています。(ここは大スズメバチ捕獲器と同じ原理です。) |
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最新式はこの捕獲器ですが、ここまで手間を掛けた作りにする必要はありません。 | |
大スズメバチ捕獲器のような上付きトラップでも、一応小型スズメバチは捕れていました。
ただし、穴を大きくしないと上までなかなか上がってこないので注意です。 |
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小型スズメバチの場合、トラップは横付きの方がスズメバチの掛が良いです。
他には、横付きの方がトラップ部分を簡略化できるのでお勧めです。 |
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捕獲器の仕組み① (狩場の確認)
捕獲器の仕組みを知れば、誰でも類似品を作れるので自分好みの作りにして下さい。(捕獲器は大きければ大きいほど良いです。) 小型スズメバチは巣門付近(赤丸)でミツバチを襲う事が多いので、捕獲器も赤丸付近に仕掛ける事になります。 通常はゆらゆらとホバリングしながら狩りをしている小型スズメバチですが、門番蜂が少ない弱群相手には歩いて巣門まで近づく事もあります。 |
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捕獲器の仕組み②
今回作った捕獲器は、ミツバチを捕まえて下に落ちた小型スズメバチを②の部分で受取り、捕獲籠(③の部分)に誘導し捕まえる仕組みになっています。 通常販売されている大スズメバチトラップは、トラップの底(②の部分)が無いので落ちた小型スズメバチを上手く捕獲籠に誘導できません。(たぶん・・・) |
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小型スズメバチがミツバチを捕まえて地面に落ちている様子です。
この地面に数秒落ちている間、小型スズメバチは無防備です。この隙にミツバチに取り囲まれて逆に殺される事も多いです。 小型スズメバチは、体勢が整うとミツバチを咥えながらゆっくり飛び上がります。 ミツバチを咥えて飛んでいる小型スズメバチの敏捷性は低く、飛んでいるスズメバチを手で叩いて落とす事も出来ます。 |
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罠に掛かったスズメバチは、仲間スズメバチ?を呼びます。1匹掛かれば仲間が寄って来て、他のスズメバチが罠に掛かる確率が上がります。
他には、スズメバチが来やすい群が有るので、トラップを仕掛ける際はスズメバチが多く来る群に優先して仕掛けると効果的です。 |
次は、コガタスズメバチ捕獲器を自作する時に必要な道具や使い方を説明します。
ダイソーで売っているゴミ受けですが、捕獲器のトラップ部分を作る時に使えます。
トラップ部分とは、スズメバチが籠に入ったら出難くする仕組みの部分です。 |
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ゴミ受けの先端部分を2cmほど切ればOKです。穴の大きさは1.5cm位で大丈夫です。穴が小さすぎるとスズメバチが通り抜けれないので注意が必要です。 | |
配線固定用のステップルは網を固定する際に使えます。 | |
このように杉板と網を固定できます。 | |
金切りバサミは、金網を切る際に重宝します。
スズメバチ捕獲器に使う金網は、隙間が5mm位の物を使ってください。(ミツバチは通り抜けられてスズメバチは通り抜けれない) |
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スズメバチ捕獲器の形を作ったら、トラップ部分を作ります。
まず、スズメバチを誘導する部分を切り抜きます。(7cm×7cm位) 切り抜く穴の大きさは、ゴミ受けの大きさに合わせてください。 |
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結束バンドは、金網同士を繋げたりトラップ部分を捕獲器に固定したり色々使えます。 | |
このように結束バンドでゴミ受けを捕獲器本体に取り付けます。 | |
これは捕獲籠です。ここにスズメバチを監禁します。
捕獲籠は小さすぎない方が良いです。小さいとスズメバチが逃げ出しやすくなります。 捕獲籠は、金網を結束バンド等で固定して簡単に作れます。 |
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結束バンドを使い、捕獲籠をトラップ部分に取り付ければ形は完成です。
スズメバチは、明るい場所に行きやすいので、トラップ付近を明るくしその他の場所は板やガムテープ等で遮光し暗くすると捕獲率が大幅にUPします。 捕獲器内部の光の調整(どこを明るくし、どこを暗くするか)は、とても大切な事なので覚えておきましょう(オオスズメバチトラップを作る際も同様です)。 |
上記の道具だけでも捕獲器を自作可能ですが、他に良い道具があればそちらを使用して下さい。
最後に、コガタスズメバチ対策に使える道具を紹介して終わります。
① 虫取り網 人間が虫取り網を装備する事により、最強の害虫駆除道具になります。 網を持った人間が1人、養蜂場をウロウロしているだけで、コガタスズメバチを含め色々な害虫を捕獲できます。 欠点は、網を使う人間が養蜂場に常駐しなくてはなりません。 |
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①-2 ネズミ用の粘着版 虫取り網で生け捕りにしたコガタスズメバチを粘着版に1匹乗せると、それが誘引剤になり他のコガタスズメバチも粘着版に引っ掛かります。 養蜂場に頻繁に行けるなら、この方法はお勧めです。 |
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② コガタスズメバチ専用捕獲器
人間ほどではありませんが、多くの小型スズメバチを捕獲できます。一度設置すれば、放置できるのが強みです。 欠点は、作るのが面倒な事です。 |
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③ 誘引剤を使用した捕獲器(市販品あり)
誘引液でスズメバチを誘き寄せ、誘引液内で溺れさせて駆除します。 スズメバチや無関係な虫が容器内に入りすぎると誘引液が腐り効果が無くなるので、虫の死骸が溜まってきたら誘引液の交換が必要です。 誘引液トラップは、春~夏に効果があります。 秋になるとスズメバチは本格的にミツバチを狩りだしますが、ミツバチを狩りに来ているスズメバチは誘引液トラップに掛かりずらいです。 |
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④ 誘引剤を使用した大型捕獲器(自作品)
ペットボトル捕獲器の進化バージョンになります。 スズメバチを生きた状態で捕獲できます。 その為、スズメバチが仲間を呼ぶ相乗効果で大量のスズメバチを捕獲する事ができます。 欠点は大きすぎる事です。今の所、それ以外の弱点は無いように感じます。 金網筒の上部に巻かれているガムテープは遮光用です。ここを遮光しないと、金網筒の内部に入ったスズメバチをトラップ部分に誘導できません。 |
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トラップ部分の仕組みは、通常使われている仕掛けと同じです。ここでは網とゴミ受けを使っています。
誘引液に釣られて、捕獲器内部に入ったスズメバチは出れなくなり、捕獲器上部のトラップ部分に誘導されます。 |
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誘引液は、ブドウジュースやフルーツジュースにドライイースト(ジュースを発酵させる)を入れるだけです。
お好みで日本酒や酢などを少々入れても良いでしょう。誘引液に虫が入らないように、網をしています。 秋になり誘引液が効かなくなってきたら、誘引液を砂糖水(蜂蜜入り)に変えてミツバチを沢山寄せましょう。 ミツバチを追ってスズメバチがトラップの中に入り大量に捕獲できます。 ミツバチを囮にした大型捕獲器を養蜂場にひとつ置くだけで、養蜂場にくるコガタスズメバチを大量捕獲できます。 ミツバチに餌場を認識させる方法は、このページを参考にして下さい。 |
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⑤ 電気柵駆除器
時々、小型スズメバチを感電させて殺せます。 欠点は、コスト(電圧発生器)と手間(電気柵作成+漏電メンテナンス)です。電気柵はホバリングが得意な小型スズメバチの駆除には向いていません。 |
ツマアカスズメバチはコガタスズメバチと体長が似ているので、ここで紹介したトラップで対応できるかもしれません。