固体の餌は、上白糖やグラニュー糖に液糖(水でも可)を少し混ぜるだけのシンプルな物です。加える液糖の量を調整する事で、どのくらい緩行性にするかの調整が出来ます。 (補足:液糖を加えずにそのまま砂糖を与えてもミツバチは食べれます。) 越冬群用の砂糖板(キャンディーボード)も固形餌に分類されます。

砂糖(固体)は、緩行性なのでミツバチを活性化する力が弱く、ミツバチを早く増やしたいという人には向いていません。 また、餌が長期間巣箱に残るので、アリが多い場所では注意が必要です。(4枚群位ならアリが居ても巣箱内部まで殆ど侵入してきません。)

緩行性餌の作り方(少量)

餌が沢山必要無い方は、上白糖と激安ハチミツ(液糖なら何でも可)を用意して下さい。

砂糖を浅い紙容器に入れて、そのまま蜂に与える事ができます。

餌不足の群には、ハチミツを添加して与えてください。これを巣枠の上に乗せとけば蜂は食います。砂糖に代用花粉を混ぜても良いでしょう。

ミツバチに与えると、こんな感じになります。巣箱の下に置くとアリが来る可能性があるので、なるべくアリが来ない場所に置いて下さい。

砂糖の大きな結晶(氷砂糖)は超緩行性の餌になります。しかし、特段の理由が無い限り砂糖粉末で十分事が足ります。

砂糖結晶は湿度が80%を超えると潮解してきます。雨が多く湿度が高い季節に与えると、巣箱内の水分を吸収して徐々に溶けだします。

氷砂糖が食べられた状態。3週間経っても半分以上残っていました。

緩行性餌の作り方(大量)

バケツ・砂糖・液糖(水でも可)を用意します。数量は自分が所有している群に合わせてください。砂糖1000gに対して液糖は100~300gあれば大丈夫です。

砂糖と液糖を混ぜる大きなヘラも用意して下さい。

バケツに砂糖を入れて液糖を加え混ぜ合わせます。

液糖を多めにすると、ドロドロした餌になります。

液糖を少なくするとパサパサした餌になります。液糖を少なくするほど緩行性が高くなります。

砂糖は、湿度が高ければ空気中の水分を吸収するので、作った当初はパサパサした感じでも時間が経過するとドロドロになる可能性があります。

粉末状代用花粉を加える事も可能です。入れ過ぎると蜂の食いが悪くなります。

作った餌はバケツで常温で保存可能です。砂糖濃度がとても高いので腐る事は無いです。このまま養蜂場まで持っていき給餌器に餌をブチ込みましょう。

注意:長期保存すると砂糖が固まって扱いづらくなります。製造後は出来るだけ早く使い切って下さい。

弱群の場合はアリに十分注意して下さい。どうしてもアリが来てしまう場合は、液体の餌を少しづつ与えて下さい。

巣箱の底に落ちた砂糖は掃除蜂に外に運び出されます。巣門前に散らばった砂糖にアリが寄ってくるので注意が必要です。

このような砂糖の損失は、緩行性餌の欠点になります(給餌歩留まりが悪い)。

次は、越冬群に与える砂糖板(キャンディーボード)の作り方です。

砂糖板の作り方(越冬用)
越冬群用の砂糖板(キャンディーボード)の作り方です。作業時間10分程度。

用意するものは、①砂糖を煮詰める鍋、②砂糖を混ぜる長い箸 ③金属製のタッパー、④クッキングシート、⑤上白糖1kg、⑥水70ml位です。

道具は、ダイソーで揃えるとコストを安くできます。

作る前に、タッパー内にクッキングシートを敷いてください。

100℃近い砂糖を扱いますので、近くに子供を絶対に近づけないでください。大変危険です。

まず鍋に、上白糖を300gほど入れます。

一度に1kg全てを入れると、上白糖が溶ける前に下から焦げたりして、逆に製造効率が悪くなります。

次に、水を70mlほど入れ強火で加熱します。

鍋に入れた上白糖が全て溶けたら、残りの上白糖を3回程度に分けながら全て加えます。

上白糖の粒っぽさが無くなるまで強火で加熱を続けます。 7分ほど加熱していると、粒っぽさが無くなり、少し透明になってきます(細かい気泡はあり)。 そうしたら、溶かした上白糖をタッパーに移します。

加熱中は、絶えず箸で砂糖を混ぜながら焦げないようにして下さい。

溶かした上白糖に、お好みで花粉・代用花粉・ハチミツ等を加える事も出来ます。写真は、天然花粉を100g加えた様子です。

ハチミツを10ml程度加えると、しっとりした砂糖板になります。ただし、ハチミツを加えすぎると、ベトベトの砂糖板になるので注意して下さい。

溶かした上白糖をタッパーに移したら、熱いうちにクッキングシートを上から被せ、タオルを巻いた手で押したりして軽く形を整えます。

成形が済んだら、そのまま1時間ほど放置し冷やし固めます。

完成した砂糖板(花粉無し)です。これを巣枠の上に乗せて、越冬群に与えます。
砂糖板に群がる蜂達です。

みつばちが砂糖板を食べる際、砂糖のカケラが散らばるので、砂糖板の下に布やシートを敷いて与えても良いです。

これは大豆プロテイン配合の砂糖板です。

大豆プロテインは、溶けた砂糖と混ぜる時に多少泡立ちます。

花粉入り砂糖板を食べる蜂達です。

花粉入り砂糖板は、ノーマル砂糖板より固く食いが悪いです。

花粉入り砂糖板の裏の様子です。 ミツバチが食べた部分が削れています。

砂糖板を作る際、更に砂糖を煮詰めると砂糖が完全に溶け強度の高い板(べっこう飴)になります。

砂糖板(べっこう飴)の作り方
砂糖板(べっこう飴の板)の作り方です。作業時間25分程度。

用意するものは、①砂糖を煮詰める鍋、②砂糖を混ぜる長い箸 ③金属製のタッパー、④クッキングシート、⑤上白糖1kg、⑥水70ml位です。

180℃近い煮えたぎる砂糖液を扱いますので、近くに子供を絶対に近づけないでください。超危険です。

作り方は、ほぼ通常の砂糖板と同じです。

違う点は、煮詰める時間です。加えた水分を飛ばし、濃度の高い砂糖液になるまで強火で煮込み続けます(水分があると温度が100℃位までしか上がりません)。

砂糖の結晶が全て融解した後は、徐々に透明なキツネ色になってきます。

砂糖液が薄いキツネ色になったら火を止め、クッキングシートを敷いたタッパー流し込みます(液状なので成形の必要なし)。

注意: この砂糖液は180℃近くあるので、細心の注意を払って作業して下さい。体に付着すると大火傷します。

3時間ほど冷やせば出来上がりです。

飴の表面は粘つくので、クッキングシートを剥がさずに持ち運んだ方が良いでしょう。

べっこう飴の板に群がる蜂達です。

砂糖が完全に一体化し飴状になっているので、通常の砂糖板と比べ蜂が食い散らかしにくいです。

また、べっこう飴板は通常の砂糖板と比べミツバチの食べる速度が速いので、餓死寸前の群にはべっこう飴板のほうが良いでしょう。

増群や強群化を急ぐ場合は、砂糖水や液糖を与えて働き蜂を活発にした方が良いです。砂糖(個体)は食いが遅く巣箱内に1~3週間残っている事もあります。

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