2022年8月、東海地方の郵便局が突然ミツバチのチルド輸送を停止しました。 もう、ミツバチはチルドで郵送出来ないと思います。
ミツバチは暑さには弱いですが、寒さにはとても強い耐性があるのでゆうパックのチルド便で出荷する事ができます。 チルド便は輸送中に蒸殺が起きずらいという大きなメリットがありますが、輸送コストが割高になるのがデメリットです。
気温が25度以上の時、船便輸送になる場所、4枚群以上の大きな群の出荷には、チルド便を利用した方が安全です。
通常輸送: まずは通常輸送とチルド輸送の群の構成を知りましょう。 通常輸送する時は、蒸殺防止の為に巣箱の換気性と外気温に気を付けなければなりません。 輸送日数が1~3日の場合は、貯蜜が600~800gあれば足ります。 |
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チルド輸送: チルド輸送する時は、保温性向上の為に巣箱の気密性と働き蜂数に気を付けなればなりません。 また、寒さに対抗するため貯蜜が最低でも1kgは必要です(3~5枚群・輸送日数1~2日の場合)。 チルド輸送中に貯蜜切れが起きるとミツバチが凍死するので、群に持たす貯蜜量には十分気を付けて下さい。 群の保温力確保の為、働き蜂を通常輸送より500匹程増やすと安全です。 |
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貯蜜について: 輸送群の貯蜜が少ない場合は、給餌枠に砂糖固体と蜂蜜を混ぜた物を入れて置いたり、蜂蜜や液糖を空巣脾に塗り込み人工貯蜜枠を作るのもお勧めです。 給餌の注意点として、チルド輸送直前に水分の多い砂糖水を与えてはいけません。餌を与えるなら糖度の高いハチミツや液糖を与えて下さい。 |
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巣箱の換気口が多い場合は、出荷前に換気口の大きさを調整して下さい。換気口は20cm×20cm位の大きさなら大丈夫です。
換気口が大きすぎると、冷気が巣箱内に侵入しやすくなりミツバチの保温負担が増えて輸送中に多くの蜂が力尽きたり、蜂児の保温を諦めて蜂球化する事があるので注意して下さい。 |
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出荷箱を網で包めば準備完了です。
暑い時や働き蜂数が多い時は、換気口が小さいと郵便局に渡す前に巣箱内部で蒸殺が起きる可能性があります。 その為、換気口の大きさ縮小+網掛けは、出荷直前に行ってください。 夜間は蜂が騒ぎにくいので、夜間に換気口調整と網掛けをして、夜の内に出荷するのも良いです。 |
撥水性の段ボール巣箱なら、木の巣箱と同じようにチルド便で出荷する事が可能です。
追加情報(2018年2月): 寒い時にチルド輸送したら、雪の影響で発送から到着まで3日も掛かり保冷箱内の酸素が少なくなり蜂が大量死したとの連絡を受けました(炭酸ガス中毒?)。 寒い時期(気温10度以下)は、通常輸送が良いと思いました。
追加情報(2018年5月): 一部の地域に送るとミツバチが蜂児を見捨てて蜂球化してしまう事が起こりました(蜂児は全部凍死)。 郵便局が保冷剤を入れ過ぎてたのが原因だったようですが、その後改善されました。
追加情報(2019年3月): チルドで出荷した3群の内、2群の蜂が全体の10%ほど死にました。 蜂児は8割ほどが無事でした。 原因は寒さだと思います。