2018年2月20日、沖縄県は晴天です。 長袖では暑い日が続いています。
アメリカフソ病の知識が薄かったので、西洋ミツバチ掲示板で色々な方の意見を聞いたり、アメリカフソ病に関する文献を読み詳しく調べてみました。 その結果、下記のような病気だと大まかに理解しました。
フソ病の元になる細菌の芽胞(種のような物)は、土・巣箱・蜂蜜・ミツバチの体等・・・至る所に存在する。 フソ病菌の芽胞は、自分が繁殖できる場所(蜂児の体内)に入れるまで休眠状態を何十年も続けられる。
フソ病菌は嫌気性菌のため酸素が沢山ある環境では生きていけません。 故に酸素の少ない蜂児体内で活動(増殖)し、酸素の多い環境では芽胞という状態(休眠)で存在しています。 フソ病菌(芽胞状態)は様々な場所に存在するが、熱帯地域ではフソ病菌が存在しない地域もある。 |
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健全な群では、たとえフソ病菌が蜂児の体内に入り込み増殖しても、それを働き蜂が察知しフソ病菌が大増殖する前に菌に侵された蜂児を除去しています。
フソ病は不治の病では無く、どんな群でも少しは発生していると思われます。 ミツバチ成体はフソ病菌に対して耐性があるので、フソ病は幼虫の体内で増殖します。 |
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群のバランスが崩れた状態(働き蜂が少ない)では、フソ病に感染した蜂児の除去が上手く行われず、その結果フソ病菌が蜂児の体内で大増殖してしまいます。
フソ病菌が大量増殖した蜂児の体は崩れ、ドロドロになってしまいます。 その為、働き蜂による除去が難しくなります。 |
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大増殖したフソ病菌は、芽胞を大量生産し放出します。 放出された芽胞は他の蜂児に入り込み感染が広がってきます。 一般的にこの状態になると目視でもフソ病の症状が確認できるようになります。 |
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群に抗生物質を投与していると、幼虫内に侵入してきたフソ病菌の増殖を防ぐことができます。
赤丸がフソ病菌、青丸が抗生物質を表しています。 抗生物質がフソ病菌にくっ付き殺してしまいます。 |
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ただし、フソ病菌が多過ぎると抗生物質でも全ての菌を殺す事ができず、フソ病菌が増殖してしまいます。
フソ病に使われる抗生物質が「フソ病の予防薬」と言われているのは、フソ病菌が大量増殖してからでは抗生物質の効果が発揮できないからです。 |
*翻訳ミス・勉強不足等で間違った理解だった場合は、すみませんがご教示願います。
ヨーロッパフソ病という病気もありますが、この病原菌は芽胞を作らず蜂児も溶けないのでアメリカフソ病の方が数段危ない病気だと思われます。
一部のエッセンシャルオイルはフソ病の増殖を抑える効果があるようですが、抗生物質の方が効果はずば抜けて高いそうです。 古い抗生物質には耐性を持ったフソ病菌も存在するとの事です。
①働き蜂の多い健全な群を育成する。 ②群が栄養不足にならないように餌(砂糖や代用花粉)を沢山与える。 ③アメリカフソ病が発生したことのある地域では、抗生物質を必ず投与する。 ④気温の変動が激しい時に、群に負担のかかる事はしない(例:群の分割など)。
新しく承認されたフソ病予防薬(タイラン水溶散・タイロシン)は、アメリカフソ病に対する効果は高いとの事。 タイロシンは、砂糖+植物性ショートニングと混ぜてパテ状で与える事も可能だが、ミツバチを襲う小型の虫(Small Hive Beetle)が大量発生したので砂糖パウダーと混ぜての散布が推奨されている。
American Foulbrood: The Spread and Control of an Important Disease of the Honey Bee
Honey bee age-dependent resistance against American foulbrood