2017年3月26日、曇りです。 ニ母二段群が住宅地で飼育するには増え過ぎたので実験を終了しました。
2母群を飼育してる実家では、巣箱近くを通った親父が頭を刺されてしまいました。
これは2月4日の継箱群(実験当初)の様子です。
2枚群の弱群です。 |
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これは3月26日の継箱群の様子です。約50日でこの様に成りました。
内部は蜂で溢れかえり、巣脾枠には蛹が大量です。 弱群でしたが2月の寒波も巣箱群の補助で難なく乗り切り、その後も巣箱群の継続的な補助のおかげで短期間でここまで増えました。 |
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現在の2母2段群は、下の巣箱群は9枚有王・上の継箱群8枚有王です。合計17枚群です。
このまま蜂が増え続けると、家族や周囲の住民から苦情が来ると判断し実験の終了に至りました。 時騒ぎ時は分蜂並みに蜂が周囲を乱舞しており、「苦情が来るのではないか?」と心配でした。 |
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継箱群から働き蜂と巣脾枠を数枚抜き、他の養蜂場に持っていくことにしました。
蜂児枠と働き蜂が減った継箱群へは、巣礎枠と砂糖水を給餌し、また増えてもらいます。 増えたら再度蜂児枠を抜き他で利用予定です。 |
今回は比較的順調に実験が進み、ほとんど問題が起きませんでした。 唯一の失敗は、住宅地で飼育していた事です。
2母(ツークイン)用の隔王板は、写真の様なシンプルな物でも十分に機能する事が解りました。
材料はコンパネ(12mm)、プラスチック隔王板を切り取った物を2枚です。 |
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コンパネに開けた穴にはこの様に両サイドに隔王板を貼っています。
2母飼育の原理は、隔王板2枚と適度な隙間(1cm位あればOK?)です。 |
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2母用の隔王板に開ける穴の大きさで、巣箱群がどの程度継箱群を補助するか調整できます。
隔王板の穴が大きい程、継箱群への補助が多くなりますが、巣箱群の負担が増加します。 |
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図は、最適条件下でのミツバチの増加モデルです。 群が順調に増えた場合、一カ月で働き蜂数や蜂児枠数が約2倍になるとします。 |
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これはA群、B群をそれぞれ単独飼育した場合の図です。 | |
これはA群、B群が2母2段群で増加した時の図です。
B群(巣箱群)の増加は減りますが、代わりにA群(継箱群)が著しく増加します。 A群、B群をそれぞれ単独飼育した場合と働き蜂や蜂児枠の総数は変わらない。 |
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これはB群がA群を2母2段で補助した場合の図です。
B群の保温熱や働き蜂がA群を補助し、A群が著しく増加します。 保温熱や働き蜂が減ったB群の増勢は落ちます。 |
上の図を見てもらえば解りますが、2母2段群にすると巣箱群の保温熱や働き蜂の一部を継箱群に渡す事になります。
特に若い蜂が継箱群へ移る傾向があります。
私が2母2段群の一番優れていると思う所は、群に女王蜂が2匹居る事により総産卵能力が上がり、各女王蜂の優劣にあまり影響を受けず強群が作れる事です。
群がどこまで大きくなるかは、最終的に女王蜂の産卵能力で決まります。 群が小さい内は女王蜂の産卵能力差は出ませんが、群が大きくなるにつれ顕著な差が出てきます。
例えば、1日に1000個しか卵を産めない女王蜂は、巣脾枠1枚(巣房数4000個とした場合)に産卵するのに4日掛かります。 1日に2000個卵を産める女王蜂なら巣脾枠1枚への産卵は2日で終わります。 特に優れた女王蜂は1日に3000個もの卵を産めるので巣脾枠1枚への産卵は1日ちょっとで終わってしまいます。
2母2段群を利用すれば、たとえ1日1000個しか卵を産めない女王蜂であったとしても2匹で力を合わせれば1日で合計2000個卵を産める事になり強群に成りやすくなります。
採蜜に使用する強群を準備する際に2母2段は有効なテクニックだと思います。 2母2段で十分に強群になったら継箱側の女王蜂は取り除き、通常の1母2段群に戻し採蜜群として使用する等々。
2群をそれぞれ別に育て、後で合同強群にしても似たようなものだと思いますが、初めから2母2段群で育てた方が作業が楽だと思います。
*この2母2段群の記事は、私一個人の考えです。 実験不足やリサーチ不足による間違いがあるかもしれませんのでご了承下さい。