2015年4月24日、沖縄は曇りです。 日銀がまた追加緩和するとの噂があります。 もう、マジで勘弁して下さい。 所有しているダブルインバースは何年塩漬けになるんだ・・・
女王蜂生産関係の論文を読み漁っていますが、つくづく勉強不足だと思い知らされます。 今までは作業効率を改善する事に力を入れていましたが、これからはミツバチという生物について少し勉強しようと思います。
参考になった文献等:
・Production of Quality Queens by Artificial Rearing Technique.
・Acceptance by honeybee colonies of larvae in artificial queen cells.
・Worker regulation of emergency queen rearing in honey bee colonies and the resultant variation in queen quality.
・Stimulating natural supersedure of honeybee queens,
Apis mellifera
今週は養蜂場に3日連続で行けたので検証実験が捗りました。
実験①
以前の若い蜂群です。 前回作った王台は全て取り、新たに移虫王椀を5個与えていました。 |
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実験①
餌不足の為か、今回は五個中1個しか王台を作っていませんでした。(貯蜜が全くありませんでした。) |
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実験①
群が弱っていたので、助っ人ミツバチを追加して普通の巣箱に移しました。 結論: 若いミツバチ群の移虫受入率は凄いです。 ただ、餌を集める外勤蜂が居らず群の維持には問題があるので短期間(1~3日)の使用が良いと思いました。 |
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実験②
女王蜂を撤去後、何日目から移虫を受け入れ王台を作るか試しました。 女王蜂撤去後、1日後から移虫を受け入れ王台を作りました。 一身上の都合により、1日単位でしか試して無いので、本当はもっと早く移虫を受け入れる可能性があります。 若い蜂群は2~3時間程で移虫を受け入れ王台を沢山作りました。 |
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実験②
ミツバチは女王蜂喪失後、1時間程度で無王群と認識し、1日以内に変成王台を作り出します。 その後も2日目までは追加王台を作りますが、3日目以降は変成王台を作らなかったと論文に書かれていました。 変成王台は作っては壊しを繰り返し、最適な場所?だけに残るみたいです。 ミツバチは、テキトウに変成王台を作っている訳では無いようです。 |
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王台(女王蜂の幼虫・蛹入り)は、王台製作抑制のフェロモンを出しています。
移虫する前に全て撤去が原則です。 |
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この群は他の実験に使う為、変成王台と移虫王台を撤去しました。 | |
ロイアルゼリーの中に幼虫が居るのが見えます。 | |
変成王台も解剖しました。 こちらの方が幼虫が大きいです。 | |
完全に鼻糞・・・ではありません。 ロイアルゼリーです。
人口王椀の底に水で希釈したロイアルゼリーを少し塗ってから移虫すると、幼虫の乾燥防止になります。(移虫作業に時間が掛かるなら、塗ったほうが良いでしょう。) もし、ロイアルゼリーが無い場合、作られた変成王台からロイアルゼリーを回収して使用すると効率が良さそうです。(王台撤去も兼ねる為) 写真のロイアルゼリー量でも、人口王椀10個分くらいになりそうです。 |
論文によると、移虫の成功率は平均して70%程度のようです。(若い蜂群を使うと80%程度?) 王台の羽化率は80%程度とも書かれていました。 仮に100個移虫すると約56匹の女王蜂が生まれる事になります。
一般的に、女王蜂を作る時は分蜂防止のため「王台は一つ残して全て潰す。」が原則ですが・・・王台羽化率を考慮すると20%の確率で女王蜂が生まれず無王群になってしまう事になります。
女王蜂が羽化しない事も考慮すると・・・分蜂のリスクを承知で群に王台を2~3個残すか・・・もしくは王台を王籠に入れて、羽化した女王蜂を群に放す等の対策をすれば無王群化を避けれそうです。(王台を2個入れた場合の女王蜂が一匹も生まれない確率は4%です。 3個入れると0.8%になります。)
他の養蜂家さんに貸していた女王蜂生産キットが戻ってきたので、さっそく改良実験です。 | |
巣箱に温度ロガーを入れて、内部の温度変化を記録してみました。 | |
ミツバチは、巣箱内部を33.9~34.8℃に維持している事が解りました。
面白い事に、時間により微妙に温度にパターンがあります。(夜は低く、昼は高い) これは外気温の影響だと思います。 |
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この女王蜂生産キットは一度に110個(実際は70~100個位)の卵・幼虫付きの王椀を回収できます。 | |
しかし、小規模養蜂家に110個は多すぎる量です。
そこで、試しに大部分の穴をガムテープで塞いでみました。 |
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裏はこんな感じです。 必要な分だけ王椀をセットしました。(今回は20個) | |
改良は上手く行きました。20個中19個に産卵していました。
この卵は2日目です。あともう少しで幼虫が生まれます。(卵は3日で孵化する) |
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卵(2日目)が入った王椀を写真のようにセットしました。 | |
それを女王蜂を抜いた直後の群に与えました。
卵が孵化するタイミングと、無王群が変成王台を作るタイミングを合わせてみました。 卵が破壊されなければ、上手く王台化してくれると予想しています。 |
上記の実験が上手く行けば、0日目(女王蜂を産卵用隔王籠に入れ王椀に卵を産ませる)、2日後(卵の回収)+(その日に作った無王群に与える) となり効率良く王台を量産出来る事になります。
しかし、良く考えれば0日目(女王蜂を産卵用隔王籠に入れ王椀に卵を産ませる)+(無王群を作る)、4日後(幼虫が入った王椀の回収)+(無王群の変成王台を全て潰して移虫王椀を与える)でも同じような気がしてきました。
とりあえず結果を見てから判断する事にします。