2014年12月31日 沖縄は晴れです。今年最後の養蜂作業になります。 今回は、急な寒さで弱ってしまった弱群を合同処理します。
今年の締めとして、今回は真面目に日記を書こうと思います。おふざけは一切無しです。
雨が多い日が続くと、巣箱内部は湿っぽくなります。 | |
そういう時の給餌は、砂糖水や液糖でなく砂糖が効果的です。
砂糖が巣箱内部の湿度を吸ってくれます。 |
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湿度を吸った砂糖はミツバチが食べ易く成ります。正に一石二鳥です。 | |
スズメバチの巣をラジコンヘリで撮影してる方が居るのをテレビで見ました。(色々な物の空撮で商売している様です。)
浦添養蜂園も負けずに新規参入です。まずは中国製の安物ヘリで練習しています。とても操作がムズイです・・・ 養蜂業+空撮業=? 滅茶苦茶な組み合わせです。 |
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アメリカのMANN LAKE社から分厚いカタログ(170ページ)が3冊も届きました。
中国通販はトラブルが多すぎるので、最近はMANNLAKE社から養蜂道具を購入しています。 |
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この蓋剥がしのクシですが、前から何の役に立つのかイマイチ解りませんでした。(蜜蓋剥がしはナイフで事足ります。) | |
カタログに載っていた写真で全てが解りました。
どうやら蜜蓋剥がし以外にも、オス蜂の蛹巣房の破壊+オス蜂蛹のチェック(ヘギイタダニの寄生率を調べる)に使うみたいですね。 これはプロ養蜂家として一本は所持していたい道具です。次、通販する時に購入予定です。 |
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このカタログの凄い所は、何でも売っている事です。完全に養蜂業者向けのカタログです。
巣房の蓋剥がしの道具だけで、こんなに多くの種類があります。流石、養蜂先進国のアメリカです。 |
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個人的に欲しいのが、この代用乾燥花粉を与える道具です。
これを養蜂場に置いておけば、花粉不足になる事は無いでしょう。(50群程度では自然の花粉でも十分足りてますが・・・) 海外では、1つの養蜂場で何千群も飼育しているので、この様な大群を管理する道具が発達しています。 |
では、弱群の合同、分割群(無王群)への女王蜂への導入を見てみましょう。養蜂作業は、ミツバチ(生物)と自然(天候)が相手なので状況に合わせて臨機応変に作業する事が大切です。
弱群の救済方法には、二つの方法あります。
まず1つは今回の作業ように群の合同です。大きい群に小さい群を合同します。 この方法では、合同の際に女王蜂が一匹余ります。(女王蜂は一群に一匹の原則) |
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二つは、他群から幼虫や働き蜂だけを合同する方法です。(一般的には巣脾枠ごと合同する。) これらの方法を状況に合わせて使い分けます。 | |
では実践です。 画像の群は、巣脾枠3枚+働き蜂約1400匹+女王蜂1匹の弱群です。この群をA群と呼ぶ事にします。 | |
画像の群は、巣脾枠3枚+働き蜂約800匹+女王蜂1匹の弱群です。この群をB群と呼ぶ事にします。
補足:巣脾枠にミツバチが満遍なく付いた状態で約2000匹のミツバチ数です。 800匹という事は、巣脾枠の片面ほどのミツバチ量をイメージして下さい。 |
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働き蜂数が多いA群にB群を合同します。
A群とB群の距離が近い為、外勤蜂も合同できます。 |
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B群の女王蜂を探して王籠に隔離します。写真の中央下辺りに女王蜂が見えます。 | |
王籠に入れたB群の女王蜂です。働き蜂を一匹お伴に付けています。
女王蜂の自動導入が出来るように、王籠の穴に砂糖とハチミツを練った物を詰めています。 弱群があるサブ養蜂場には、群を分割できるほど元気な群が無い為、B群女王蜂は主力養蜂場で使用します。 |
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A群に煙を吹きかけて、産卵圏を合わせてB群の巣脾枠を一枚合同しました。 | |
赤○がB群の巣脾枠です。働き蜂の密度を上げる為、B群の不要な巣脾枠(産卵圏が無い巣脾枠)は取り除きました。(働き蜂は振り落としました。)
気温が低い季節は、「働き蜂の密度」が重要です。 |
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A群の巣箱に煙を大量に入れてから巣箱を閉じました。(煙合同) B群の余った2枚の巣脾枠は、他の群に与えました。 | |
まだB群巣箱に残ってる残党です。仕事から戻ってきた外勤蜂もウロウロしています。 | |
巣箱を完全に撤去する事で、残党をA群に自然合同させます。(近くに他の群がある場合は、その群に合同する可能性があります。) | |
A群の巣門付近です。 働き蜂が羽ばたいて「呼び込み」が掛れば自然合同成功です。 | |
余ったB群女王蜂の為に、主力養蜂場の8枚群を分割し無王群(働き蜂数約5000匹)を用意しました。 | |
巣枠の間に隔王籠をセットしました。 後は、無王群の働き蜂が王籠に設置された砂糖を徐々に齧り、1~3日後に女王蜂が自動的に導入されます。
この女王蜂の自動導入ですが、私はお勧めしません。なぜなら、時々導入が早すぎて失敗するからです。時間に余裕があるなら、目視で女王蜂を開放するタイミングを判断した方が良いでしょう。 |
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寒い季節は貯蜜量が重要です。余っている貯蜜枠があるなら、貯蜜が少ない群に割り振りましょう。 | |
貯蜜枠が無い場合は、水分量が少ない液糖や少し湿らせた砂糖を与えましょう。 B女王蜂導入群には砂糖を与えました。
これで全ての作業は終了です。AB合同群、B女王蜂の新群が完成しました。 |
今年も色々あったけど、大きな病気もせず無事に年越しできそうです。健康が一番の財産です。