2017年1月25日、沖縄は晴れです。 ヘギイタダニの生態に関する論文によると、ヘギイタダニ(雌)の成虫以外は環境の変化に激弱らしいので、ダニの増殖を邪魔する方法を考えてみました。

情報①: ヘギイタダニ(雌)の成虫以外は、巣房の蓋が開くと乾燥して死んでしまう。巣房の蓋が開くパターンは二つあります。①ミツバチが羽化する時。②何らかの原因で蛹に異変・死亡が起こり、それを察知した働き蜂が蓋を破り蛹を外に出す時。

情報②: ヘギイタダニはオス蜂巣房(蛹)に好んで寄生します。そのダニの習性を利用したダニ駆除方法は色々あります。 例として、オス蜂巣房をナイフで切り取ったり、スクラッチャーでオス蜂蛹を取り出す等。

上記の情報を基に新しく考えた方法は、「①蓋がされたオス蜂巣房上部をハイブツールで軽く破壊し蛹を傷つける。 ②傷付いた蛹は不良とみなされ、働き蜂によって巣房の外に排出される(または食われる)。 ③結果的に、オス蜂蛹に寄生し成長していたダニの子供等を殲滅できる。」という流れです。

この方法の利点は、ダニの駆除作業が楽な事です。 手間をかけてオス蜂巣房をナイフで切り取ったり、巣房内部の蛹をスクラッチャーで人間が取り出す必要がありません。 欠点は、オス蜂巣房が作れる時期にしかできない。オス蜂蛹を人間が除去しないので成虫の母ダニを殺せない事です。

ヘギイタダニ増殖対策: オス蜂巣房内の蛹を傷づける
巣房に蓋がされてからのヘギイタダニの成長の様子です(卵~若虫~成虫まで)。

卵~若虫は蓋がされた巣房内部でしか生きられません。

まずは、ヘギイタダニが隠れているオス蜂巣房に蓋がされた場合を見てください。

巣房が破壊されないと母親ダニが1日毎に産んだ合計5個の卵が全て成虫になります(ダニにとって最良の条件時)。

次は、7日目位に巣房が破壊された場合です。

成虫の母親ダニ以外は全滅します。 また、母親ダニも命を削って産卵しているのでノーダメージではありません。

理論だけではダメなので実践しました。

実践!
まず、蓋がされたオス蜂巣房を探しました。

蓋がされて何日目かは分かりませんが、とりあえず壊せば内部に居るダニ親子に大ダメージを与えられるのは確実です。

ハイブツールの尖っている所で、オス蜂巣房の蓋を剥がすように動かしました。出来るだけ蛹も傷つけました。

写真の様になりました。

傷付いた蛹は働き蜂に食われていました。ある程度日齢が経った蛹は硬くなっているので働き蜂も食いません。

ダニに寄生された蛹はウイルスに感染しているかもしれないので、蛹を食べる行動は慎んで欲しいと思いました。

まあ・・・蛹がダニに感染していなければ、傷ついた蛹を無駄にしないという意味では良い行動です。

蛹を傷つけてから1日後の様子です。 多くのオス蜂蛹が除去されていました。

数日後の様子です。 壊れた雄蜂巣房は綺麗に修復され、またオス蜂の生産が卵から開始されていました。

作業後に色々考えましたが巣房内部の蛹を傷つけさえすれば、後は働き蜂が処理してくれます。その為、剣山のような物をオス蜂巣房にブスブス刺すだけでも効果がありそうです。

しかしながら・・・ミツバチのオス蜂はダニに好かれて寄生されたり、食料不足になると仲間に攻撃されたり、または人間に摘み出されたりで良い事があまりないですね。

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