2016年7月14日、沖縄は晴れの日が続いています。
巣箱外給餌を色々試し、ミツバチに餌場を認識させる方法を調べました。
砂糖水は巣箱内の給餌枠に入れて与えるのが一般的です。今回の様に砂糖水を外で与えた場合の有効性は・・・夜は外に砂糖水を吸いに行けないので、夜間に外勤蜂が休める?くらいでしょうか。
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なぜこんな事を調べたかと言うと、巣箱から離れた場所に餌場を作りミツバチに給餌したかったからです。
左の図のような構想を考えています。 夏は無駄巣や分蜂の心配が少ないので、「砂糖水40~60Lをバケツに入れて直ぐに帰れないか?」と考えた訳です(共同餌場)。 |
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ミツバチは巣門のすぐ近くの砂糖水(ハチミツ入り)は、かなり早く認識でき多くのミツバチが集まります。 |
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しかし、巣箱から砂糖水を1m離しただけで状況によっては全く砂糖水を餌として認識しません。
また、ミツバチが全く飛んでいない場所に砂糖水(ハチミツ入り)を置いた場合も同様です。 |
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ミツバチが砂糖水を認識しずらい状況: ①群が小さく斥候蜂が少ない時。 ミツバチが砂糖水を認識しやすい状況: ①群が大きく斥候蜂が多い時。 この弱群(2枚群程度)は、こんなに近くにハチミツ入り砂糖水があるにも関わらず、全く認識しません。 |
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色々試した結果、良い方法を思いつきました。
まず、巣門付近の働き蜂をハチミツで誘き寄せ網に乗せました。 |
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そのまま網をミツバチが付いたままゆっくり砂糖水まで移動させ、網ごとミツバチを刺激しないように置きました。 |
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何度か試しましたが、仲間に餌場を知らせるハチは独特の動きをします。
ハチミツを吸って直ぐに飛んで行ってしまうハチは、仲間を呼んできませんでした。 仲間に餌場を知らせる蜂は、ハチミツを吸った後も念入りに砂糖水容器を調べ、左右に小刻みに揺れながら飛びます(動きが違い過ぎるので見ればすぐに解ります)。 この独特の行動の後にも砂糖水にミツバチが一匹も来ない場合は、残念ならが他の蜜源の方が優秀という事だと思います(仲間に却下された)。 |
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網に付いたハチミツを吸ったミツバチは全て巣に帰り、砂糖水はまた放置されましたが1~2匹の蜂が独特の動き(飛びながら左右に小刻みに揺れる)をしていました。 |
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30分後くらいには、少ないですがミツバチが砂糖水を吸いに来ていました。
初期に砂糖水に飛来する蜂も独特の動き(飛びながら左右に小刻みに揺れる)をする事が非常に多いです。たぶん、餌場を発見した仲間から情報を受け様子を見に来た斥候蜂だと思います。 初めに餌場を認識した蜂が巣に戻ってから15分前後で、次の斥候蜂が様子を見る来ることが多かったです。 |
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複数のミツバチが砂糖水を吸っている間に、砂糖水バケツを巣箱から2.5m位離して置いてみました。 |
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一度、餌場と認識されると巣箱から多少離しても、餌場に付けるフェロモンの影響により直ぐにミツバチがやってきました。 |
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砂糖水に常時ミツバチが沢山居る状態になると、もうどこに移動させてもミツバチが寄ってきます(かなり遠くまで追いかけてきます)。 |
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ミツバチは餌場に付けるフェロモン以外に、場所によっても餌場を認識しています。
砂糖水バケツを移動させた場所に、小さな砂糖水トレイを置いてもミツバチはやってきます。 試しにハチミツも近くに置きましたが、元の場所(砂糖水バケツがあった場所)にミツバチは多く集まりました。 |
ミツバチは、フェロモンと場所で餌場を認識していると体験できました。
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浦添群で試してみました。 まず巣箱から3m位離した場所に砂糖水バケツを置きました。
2群とも3枚群程度の弱群なので、このまま放置すると一日経ってもミツバチ(斥候蜂)が発見できない可能性大です。 |
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棒にハチミツを塗り、ミツバチを棒に沢山集めました。
餌場を認識し独特の動きをする蜂(斥候蜂?)は少ないので、なるべく多くのミツバチを砂糖水バケツまで連れていきましょう。 斥候蜂は、巣門付近の餌に寄ってくる蜂に多い気がします。 |
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ミツバチが付いた棒をゆっくり砂糖水バケツまで移動させ静かに置きました。 このミツバチ付きの棒を移動させられる距離が、巣箱と砂糖水バケツ設置場所の最大距離になりそうです。 ミツバチはゆっくり移動させれば大人しくハチミツを吸っているので10mくらいは移動できます。 独特の動きをする蜂が1匹確認できたので、そのまま放置しました。 |
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1~2時間後にはこんなに沢山蜂が来ていました。翌日はさらに大量の蜂が来ていました。
餌場周囲を飛んでいる蜂は一部が凶暴なので注意してください(刺されました)。年より蜂(斥候蜂?)が多いのかとても攻撃的だと感じます。 |
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こんなに砂糖水バケツが近いにも関わらず、多くのミツバチが異常なほど遠回り(青線)をし、バケツまで辿り着いていました。
ミツバチは、「場所」の認識が人間と違うようです。 |
もし外で砂糖水を与えてもミツバチが来てくれない時は、巣門付近の蜂をハチミツを使い誘き寄せ砂糖水(ハチミツを少し混ぜた方が良い)まで持っていきましょう。ハチミツを吸っていた蜂が、砂糖水周辺で小刻みに揺れながらゆっくり調べていたら成功です。あとは群が適切な量のミツバチを派遣してくれます。糖濃度が薄いと不良蜜源と判断されミツバチが来ない可能性があるので、砂糖水の糖濃度は40%以上にしたほうが良いでしょう。
複数の群を一つの砂糖水バケツに呼ぶと、少し小競り合いが起きるので複数の砂糖水置き場を作るのが良いと思いました。下の写真は他群ミツバチの羽を噛むミツバチです。