2015年4月28日、沖縄は曇り~雨です。 前回の実験の続きです。(孵化1日前の卵を与える実験)

王椀を与えるタイミング
孵化1日前の卵を、状態が違う無王群に与えた場合の結果です。
まずは、女王蜂撤去直後に与えた場合です。

赤○の所に王椀があります。

結果は、全く王台を作っていませんでした。
女王蜂撤去直後は駄目みたいです。

変成王台は6個ほど作っていました。

次は、無王群化してから2日目の群に与えた場合です。

王椀を与える前に、作られた変成王台は全て取り除いています。

王椀8個中、5個王台化していました。(王椀受入率6割ほど)

変成王台は5個作っていました。

考察①: 女王蜂撤去直後では、まだ女王蜂の影響力が群内に残っており無王感が発生していなかったと考えられます。 それにより与えた卵は全て破壊されたと信じます。

考察②: 無王群化してから2日目の群では、与えた卵が孵化する前に再度変成王台が作られたようです。 それにより王椀受入率が下がったと考えています。(卵の孵化率も関係してるかもしれません。)

卵付き王椀を与える場合、無王群化してから8~9日経過した群に与えると良い結果が得られると思いました。 卵付き王椀より、幼虫付き王椀の方が与えるタイミングの幅が広いので優れていると思いました。

上の図は女王蜂喪失後、自然に変成王台が作られる期間を赤線で表しました。 無王群化して3日目以降に移虫王椀を与えても、既に変成王台が沢山作られているので王椀受入率が下がります。 (変成王台を取り除く事で王椀受入率は回復します。)

上の図は、女王蜂喪失群が変成王台を自力で作れる期間(青・赤線)を示しています。 女王蜂喪失後、理論上6日目までは自力で変成王台を作れます。 実際は、卵や幼虫の成長度合いに差が有る為、変成王台を作れる期間は1~2日前後します。

卵の豆知識

  • ミツバチの卵の長さは1.5mm、重さは0.12~0.22mgです。
  • 卵から幼虫が生まれる時は、卵の殻が徐々に溶けて幼虫が出てきます。
  • 卵は平均して3~4日で孵化します。(巣内の温度で孵化日数が変化)
  • 卵は室温(20~30度位?)でも数時間耐える事ができます。
  • 女王蜂は、メスとオスの卵を直径で判断しているようです。
  • 女王蜂は、オス蜂巣房にメスの卵を産む事が時々ある。(逆もあり)
  • 女王蜂は、働き蜂から与えられる餌の量で産卵量を調整されている悲しい生き物です。
  • 卵は、温度33~36度・湿度75%以上で保温されています。(温度湿度が高すぎても低すぎても孵化率に悪影響がでる。) 巣箱内の湿度が50%以下になると、孵化率が40%以下になります。(湿度75%だと孵化率60%位・カーニオラン種)

参考文献:

     
  • Development of Honey Bee Eggs Within the Queen and after laying.
  • Hatching rates and some characteristics of Yemeni and Carniolan honey bee eggs.
  • Variation in Time of Egg Hatch by the Honey Bee, Apis mellifera (Hymenoptera: Apidae)
  • Honeybee workers use cues other than egg viability for policing.

卵の孵化率が約60~80%(論文によりバラつきあり)と低いのに少し驚いています。 一応・・・卵の孵化率を考慮すると、卵王椀の王台化6割なら十分良い結果ですね。(英文を間違って解釈してたらすみません。)

補足: 鶏の卵の孵化率は良くて60%位だそうです。 クワガタ虫は80~90%位です。 ネットで調べましたが、生物により孵化率にかなりバラつきがあります。 ミツバチは女王蜂がどんどん卵を産むので孵化率が低くても大丈夫なのかな? 不良卵は働き蜂が直に除去するだろうし・・・。

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